東園基光

東園基光

東園基光は、1875年（明治8年）に東京府で生まれ、1934年（昭和9年）に60歳で亡くなった、明治から昭和初期にかけての官僚、政治家、華族です。子爵の爵位を持ち、貴族院議員も務めました。

生い立ちと学歴

東園基光は、侍従・宮中顧問官で子爵であった東園基愛の長男として生まれました。学習院高等学科を経て、1903年（明治36年）に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業。さらに大学院へと進みました。同年には文部省に入省し、普通学務局に配属されました。

官僚としてのキャリア

1904年（明治37年）に文官高等試験行政科試験に合格した東園基光は、1905年（明治38年）に内務省へと転じ、内務属となります。その後、岡山県や静岡県、滋賀県、愛知県、茨城県、東京府などで事務官や警察部長、内務部長などを歴任し、地方行政官としてのキャリアを積み重ねました。

富山県知事時代

1919年（大正8年）4月、東園基光は富山県知事に就任しました。知事在任中は、神通中学校や上市農学校の設立、氷見漁港の築港、県道の指定、県営電気事業の実施など、県政の発展に尽力しました。1921年（大正10年）12月24日に知事を退任しました。

実業家としての活動

知事退任直後の1921年12月27日、東園基光は濃飛電気株式会社の代表取締役社長に就任。その後、1922年（大正11年）7月には白山水力株式会社の代表取締役社長に選出され、1926年（大正15年）4月まで務めました。これら電力会社の経営は、福澤桃介が関わっていたことでも知られています。

政治家としての活動

1925年（大正14年）7月10日、東園基光は貴族院子爵議員に選出され、研究会に所属して活動しました。死去するまでその職を務めました。その他、商工審議会委員や土木会議議員、学習院評議員などの要職も歴任し、幅広い分野で活躍しました。

系譜

東園基光の妻は松平頼英の四女である東園輝子です。また、伊達邦宗の三男である東園基文を養子に迎えました。

参考資料

『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 下巻』霞会館、1996年。
* 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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