氷見漁港

氷見漁港について

富山県氷見市にある氷見漁港は、県内でも有数の漁港として知られています。この漁港は第3種漁港に分類され、富山県がその管理を行っています。2019年のデータでは、氷見漁港は富山県内での漁獲物の水揚げ量が最も多い位置にあります。

漁港の概要

氷見漁港は約35万㎡の広さを持ち、その中で泊地の面積は約14万㎡に達します。この漁港の最大の特徴は、歴史ある定置網漁法による漁業が行われている点です。富山湾は深い海域を持ち、冷たい深海の水流が海面近くに上昇するため、魚が豊富に生息しています。氷見周辺は大陸棚が広がっており、そこが漁場として最適となっています。

定置網漁法は、氷見が発祥であり、特に「越中式定置網」として知られています。21世紀初頭には、氷見漁港での漁獲の約80%がこの漁法によるものです。地域の漁業では、イワシが最も多く、漁獲量の61.1%を占めています。次いでイカが13.9%、ブリが4.3%です。これらの魚の漁獲量は、県全体の海面漁業の31%にあたる13,033tです。

季節ごとの水揚げ

氷見漁港では、季節ごとに特定の魚が多く水揚げされます。春にはイワシ、夏にはマグロ、秋から冬にはブリが特に多くなります。特にイワシは「氷見鰯」として広辞苑に登録されており、地域の特産品の一つとされています。また、冬季に漁獲されるブリは「ひみ寒ぶり」としてその味と品質がブランド化されています。

漁業活動と観光

氷見漁港内には、競り市が開催される氷見魚市場があり、観光客も見学することができます。競りの様子を見たり、近くで漁業活動を体験したりできる観光船が発着するエリアもあります。21世紀初頭、漁港の防波堤は658m、係留施設は1869mに達し、2019年には102隻の漁船が利用され、水揚高は4,831t、漁獲金額は12.27億円にもなります。

氷見漁港の中心となる氷見漁業協同組合は、1988年に設立され、地域の漁業を支える重要な組織です。2021年度時点で、組合員は1,608名を数えています。

ひみ寒ぶりの魅力

特に注目すべきは「ひみ寒ぶり」です。晩秋から初冬にかけて、能登半島近くを通る低気圧によって富山湾が荒れることがあります。この時、小魚が氷見沿岸に迷い込み、それを追ってブリが定置網に入ることから、この現象は「鰤起こし」と呼ばれます。この時期に水揚げされるブリは脂がのり、さまざまな料理に活用されます。

このブランドは、江戸時代から幕府への献上品としても珍重されてきました。6kg以上の基準を満たした天然ブリは「ひみ寒ぶり」として取り扱われ、品質には厳重な確認が行われます。これに対して、地域のブリは、優れた特徴を持つ「のと寒ぶり」としてブランド化される動きもあります。

終わりに

氷見漁港は、地域の漁業の発展に重要な役割を果たし続けています。新鮮な海の幸だけでなく、漁業体験や観光も楽しめる場所として、多くの人々に愛されています。詳細な履歴と豊かな海洋資源を持つ氷見漁港は、今後もその魅力を発信し続けることでしょう。

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