東富士演習場

東富士演習場の概要

東富士演習場（ひがしふじえんしゅうじょう）は、静岡県の御殿場市、小山町、裾野市にまたがる広大な陸上自衛隊の演習場であり、面積は8,809ヘクタール（88.09平方キロメートル）に及びます。この演習場は、本州において最も広いものであり、アメリカ海兵隊のキャンプ富士地区を除いて、陸上自衛隊富士学校がその管理を行っています。

管理と構成

演習場は主に原野と山林から成り、北部は北富士演習場に隣接しています。特に畑岡地区は富士総合火力演習の重要な会場となっています。陸上自衛隊のみならず、アメリカ海兵隊もこの演習場で訓練を実施しており、地元の人々にとっても利便性がある一方で、マナーや安全性に関する課題があります。

周辺には一般車両の通行が黙認されている道が存在し、地元住民はこれを近道として使用したり、自衛隊の車両を愛好する愛好家が訪れることもありますが、立ち入り禁止区域に入る者もいて問題になります。

歴史の背景

演習場の歴史は幕末から始まります。明治29年の1896年には日本陸軍による初の演習が行われ、1908年には滝ヶ原駐屯地が設立されました。1912年には正式に富士裾野演習場として開設されると、演習の妨げになるとされる印野村北畑集落は強制移転されました。昭和2年の1927年には陸軍が行う特別演習が昭和天皇の行幸とともに実施され、その後も演習は続けられました。

1945年にはアメリカ軍が進駐し、演習場は「アメリカ軍東富士演習場」となり、1951年には日米安保条約が締結され、自衛隊の設立が続きます。1958年には地権者団体が自衛隊の無断利用を訴え、最終的に和解が成立します。

地元への影響

演習場は地域住民にも影響を与えています。特定の日には演習を行うため、それに伴う騒音が地元住民への影響源となっています。これを緩和するために、関連する法律に基づき防音工事が行われており、土木工事も実施されて土地の荒廃を防ぐ努力がされています。地元の地権者団体はまた、演習場内での環境保全に努めています。

ロケーションとしての役割

この演習場は映画やドラマの撮影地としても利用されることが多く、特に時代劇や戦争関連の場面でその広大な自然が活用されます。2005年の『戦国自衛隊1549』では、特に大規模なロケーションが行われ、観客に強い印象を与えました。

まとめ

東富士演習場は、広大で豊富な歴史を有する陸上自衛隊の重要な演習場であり、地域の自然環境と密接に関わりながら、その活動を支えています。演習場としての役割だけでなく、地域社会との共存を目指す取り組みや、映像作品への利用など、多様な側面を持っています。

もう一度検索