東屋三郎

東屋三郎（あずまや さぶろう）

東屋三郎は、日本の演劇史、映画史において重要な役割を果たした俳優です。本名を油屋三三郎といい、1892年5月15日に東京で生まれ、1935年7月3日に43歳という若さで亡くなりました。

生い立ちと演劇との出会い

東屋は、東京市神田区駿河台南甲賀町（現在の千代田区神田駿河台三丁目）で、代議士の父と柳橋の芸者の母の間に生まれました。父親の死後、父の親友であった西園寺公望の庇護のもとで育ちました。慶應義塾大学在学中に青山杉作らと出会い、演劇の世界に足を踏み入れます。1917年2月17日には、新劇の劇団「踏路社」を結成し、『画家とその弟子』で初舞台を踏みました。

舞台から映画へ

1920年代には舞台協会に参加し、1923年には舞台協会が日活向島撮影所と出演提携を結んだことで、サイレント映画にも出演するようになります。築地小劇場など、当時の演劇の中心地でも活動しました。1927年には、小山内薫監督による初期のトーキー映画に出演し、以降はトーキー映画を中心に活動しました。

映画出演

東屋三郎は、数多くの映画に出演しました。以下に代表的な作品を挙げます。

『人の心』 (1922年) - 小沢得二監督
『髑髏の舞』 (1923年) - 田中栄三監督
『忘れな草』 (1923年) - 田中栄三監督
『三つの魂』 (1923年) - 田中栄三監督
『血の洗礼』 (1923年) - 若山治監督
『毒塵』 (1923年) - 細山喜代松監督
『黎明』 (1927年) - 小山内薫監督
『もの言わぬ花』 (1931年) - 蔦見丈夫監督
『昼寝も出来ない』 (1932年) - 小沢得寿監督
『坊つちやん』 (1935年) - 山本嘉次郎監督
『三色旗ビルディング』 (1935年) - 木村荘十二監督

これらの作品を通して、東屋は様々な役柄を演じ、その演技力で観客を魅了しました。

短い生涯

1935年、P.C.L.映画製作所製作の映画に出演しましたが、同年7月3日に急逝しました。43歳という早すぎる死は、演劇界、映画界にとって大きな損失でした。しかし、彼の残した作品は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

東屋三郎は、日本の演劇、映画の発展に大きく貢献した人物として、その名前は永遠に刻まれるでしょう。

外部リンク

Saburo Azumaya - IMDb（英語）
東屋三郎 - 日本映画データベース
東屋三郎 - allcinema

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