東山収一郎

東山収一郎について

東山収一郎（ひがしやま しゅういちろう）は、1932年9月25日に東京都で生まれ、2021年10月3日に89歳で逝去した、日本の元海上自衛官です。最終階級は海将。第17代海上幕僚長を務めました。

海上自衛隊入隊まで

東山氏は、東京水産大学（現東京海洋大学）において、製造学科で食品衛生を研究していました。大学卒業後、海上自衛隊に入隊。入隊の動機は、大学が所在していた久里浜に海上自衛隊の基地があり、「なんとなく面白そうだ」と感じたからだそうです。

パイロットとしての活躍

入隊後、東山氏は航空部隊に進み、対潜哨戒機「S2F-1 トラッカー」のパイロットとして活躍。3,500時間を超える飛行時間を記録しました。20代で機長を務めていた頃には、護衛艦との共同対潜哨戒作戦において、作戦方針を巡り、2佐クラスの艦長と無線で激しいやり取りをすることもあったそうです。

防衛畑での活躍

その後、東山氏は海幕（海上幕僚監部）に勤務し、防衛畑を歩みます。ポスト4次防の整備や予算要求に携わりました。第4航空群司令在任中には、最初の「P-3C」実戦配備部隊である第6航空隊の新編と戦力化に尽力しました。

海上幕僚長就任

航空集団司令官、横須賀地方総監などの要職を歴任した後、1987年7月7日に第17代海上幕僚長に就任しました。東山氏は、旧軍歴を持たない初の海幕長であり、パイロット出身の海幕長としては、第10代の鮫島博一氏に続く2人目です。

なだしお事件への対応

海上幕僚長在任中の1988年7月には、「なだしお事件」が発生し、事態の収拾にあたりました。

退官とその後

1989年8月31日に海上自衛隊を退官。2021年10月3日に89歳で亡くなられました。

年譜

1955年（昭和30年）
3月：東京水産大学卒業
4月：海上自衛隊入隊（第4期幹候）
1971年（昭和46年）1月1日：2等海佐に昇任
1973年（昭和48年）
2月1日：第11航空隊司令
11月16日：海上幕僚監部先任副官
1976年（昭和51年）
1月1日：1等海佐に昇任
4月1日：第51航空隊副長
12月1日：海上幕僚監部防衛部防衛課防衛班長
1979年（昭和54年）2月1日：海上幕僚監部防衛部防衛課長
1980年（昭和55年）
2月15日：徳島教育航空群司令
12月5日：海上幕僚監部防衛部副部長
1981年（昭和56年）1月1日：海将補に昇任
1982年（昭和57年）2月16日：海上幕僚監部防衛部長
1983年（昭和58年）1月20日：第4航空群司令
1984年（昭和59年）
1月17日：自衛艦隊司令部幕僚長
3月2日：海将に昇任
1985年（昭和60年）8月1日：第16代航空集団司令官に就任
1986年（昭和61年）6月17日：第25代横須賀地方総監に就任
1987年（昭和62年）7月7日：第17代海上幕僚長に就任
1989年（平成元年）8月31日：退官
2021年（令和3年）10月3日：逝去（享年89）

栄典

レジオン・オブ・メリット・コマンダー - 1989年（平成元年）8月22日

参考文献

『軍事研究』1988年1月号（ジャパン・ミリタリー・レビュー）P168-176「新海上幕僚長に聞く――イージス元年、艦隊防空の強化」

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