東急トランセ

株式会社東急トランセの概要

株式会社東急トランセ（とうきゅうトランセ、TOKYU TRANSSÉS CORPORATION）は、日本のバス事業者であり、主に東京都内でバスの運行を行う会社です。1998年4月8日に設立され、東急バスの100%子会社として活動を開始しました。主な運行路線としては、代官山エリアへの循環路線や空港連絡バス、高速バス、貸切バスなどがあります。

合併とその理由

2023年7月31日に、親会社である東急バスとの合併契約が締結され、2024年4月1日をもって東急バスに吸収される予定です。この合併背後には、バス業界の深刻な人手不足や運転者の採用問題が影響しています。特に、「2024年問題」と呼ばれる運転基準の改正が予定されている中で、必要な運転士が増加する見込みがあり、効率的な運営体制を整える必要がありました。

合併後も、代官山循環線や観光バスの商標として「東急トランセ」の名称が使用され続けます。興味深いことに、「トランセ」という名称は、フランス語風にアレンジされた「transport」から派生した造語です。

直営路線「代官山循環線」

代官山循環線は、1998年7月28日に運行を開始し、渋谷駅西口から代官山周辺をつなぐ重要な路線です。ルートは、渋谷駅西口から南平台町、伊太利屋本社前、青葉台二丁目、代官山駅入口を経由して、再び渋谷駅に戻る循環形式です。この路線は、フリー降車区間が青葉台地区に設けられており、便利な運行を提供しています。

運行は8時から20時30分までで、通常6〜15分間隔でバスが運行されており、利用者にとって非常に便利です。また、代官山循環線では専用のバリアフリー車両が運用され、女性運転士による細やかな接遇が特徴的です。

運賃と回数券制度

代官山循環線の運賃は大人160円、小児80円で統一されており、20219年に消費税の改定に合わせて値上げされました。この運賃制度では、PASMOやSuica、東急バスの一日乗車券も利用可能です。また、2015年4月からは専用の回数券が販売され、利便性が向上しました。2022年には運賃体系の改定が行われ、回数券の割引率も改善される方向で進められています。

車両の特徴

東急トランセの車両は、代官山の狭い道路にも適した小型バスが使用されており、過去には三菱・ローザや日野・リエッセ、現在は日野・ポンチョが導入されています。これらの車両は、代官山の景観に合わせた独自のカラーリングが施されており、地域に親しまれています。

その他の運行業務

空港連絡バスや高速バスも担当しており、特に羽田空港へのアクセス路線は多くの利用者に支持されています。新宿・成田空港線や昼行、高速バス路線など多岐にわたる運行サービスが展開されています。

今後の展望

2024年には東急バスとの合併により、東急トランセは新たな組織体制のもとで業務を継続する見込みですが、従来のサービスブランドへの配慮や、地域に根ざした運行を継続する意向が表明されています。さらなる効率化やサービス向上が期待される中で、東急トランセのブランドやサービスが今後どのように展開されていくのか、注目が集まります。

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