東急レールウェイサービス

株式会社東急レールウェイサービス

株式会社東急レールウェイサービス（英: TOKYU RAILWAY SERVICE Co., Ltd.）は、かつて存在した東急グループの一員です。1999年（平成11年）6月に、当時の東京急行電鉄（現在の東急株式会社）が100%出資する完全子会社として設立されました。

この会社が設立された主な目的は、親会社である東急電鉄から鉄道駅における業務の一部を受託すること、いわゆる「ステーションサービス」を提供することでした。具体的には、駅での案内業務や改札業務など、多岐にわたる駅運営に関わるサービスを担いました。駅業務の受託に加えて、駅周辺に設置された自転車等駐車場の運営管理や、東急グループが運営する文化施設である「電車とバスの博物館」の管理・運営業務なども行っていました。

株式会社東急レールウェイサービスは、日本の大手私鉄において、駅業務を外部に委託するために新たに設立された分離子会社としては、比較的に早い段階で誕生した企業の一つです。同時期である1999年4月には、京王電鉄グループの京王設備サービス株式会社も鉄道関連事業部を設けて駅管理業務の受託を開始していますが、こちらは既存組織での事業開始でした。対して東急レールウェイサービスは、駅業務のアウトソーシングを専門に担うために新設されたという点で、この分野における先駆け的な存在と言えます。その設立以降、2000年代に入ると、他の鉄道事業者でも同様に駅業務委託のための専門子会社を立ち上げる動きが活発化しました。

事業範囲は東急線に留まらず、過去には横浜高速鉄道が運営するみなとみらい線の一部の駅業務も担当していました。このみなとみらい線の駅業務受託は2012年4月まで続けられました。

会社の転機となったのは、2019年10月1日に実施された東急グループ全体の組織再編です。この再編では、グループを持株会社体制へ移行させる一環として、東急株式会社が直接手掛けていた鉄道事業が、新たに設立された東急電鉄株式会社へと移管されました。この事業移管に先行する形で、2019年9月30日をもって、株式会社東急レールウェイサービスに勤務していた全ての社員が、鉄道事業を引き継いだ東急電鉄株式会社へと転籍しました。

社員の転籍に伴い、同日である2019年9月30日をもって、株式会社東急レールウェイサービスとしての主要な事業活動、すなわち駅業務の受託、駐輪場の管理運営、および電車とバスの博物館の運営業務はすべて終了しました。

事業活動の終了後、会社は清算手続きに入り、2020年7月15日をもって清算結了となりました。これにより、株式会社東急レールウェイサービスの法人格は消滅し、その歴史に幕を下ろしました。

株式会社東急レールウェイサービスは、設立から法人格消滅までの約21年間、東急グループにおける駅関連サービスの重要な担い手であり、日本の鉄道業界におけるステーションサービスの初期の展開において、特徴的な役割を果たした企業でした。

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