東日本大震災に対するヨーロッパ諸国の対応

東日本大震災に対するヨーロッパ諸国の支援

2011年3月11日に発生した東日本大震災に対し、ヨーロッパ各国は迅速かつ多岐にわたる支援活動を展開しました。以下に、各国および関連機関の具体的な対応を詳述します。

欧州連合 (EU)

EUは、地震発生直後から深い憂慮を表明し、日本政府と被災者への哀悼の意を示すとともに、必要なあらゆる支援を行う用意があることを発表しました。具体的には、救助隊と救助犬の派遣を決定し、原発事故を受けて加盟国の専門家による緊急対策会議を開催しました。この会議では、原発の安全性に関する情報交換と対策協議が行われました。また、加盟国間で情報共有を行うための連携グループが設置され、福島第一原発の状況に関する情報収集を迅速に行いました。

さらに、EUは1000万ユーロの義援金を提供し、クリスタリナ・ゲオルギエヴァ欧州委員が来日して直接支援を表明しました。これらの対応は、EUが災害発生時の国際協力において重要な役割を果たしていることを示しています。

西欧のEU諸国

イギリス: デーヴィッド・キャメロン首相は、日本への支援を表明し、救助隊の派遣を決定しました。レスキュー隊員69名と救助犬2頭が派遣され、岩手県で救助活動を行いました。さらに、飲料水や原子力関連物資も提供しました。エリザベス2世も天皇陛下にお見舞いのメッセージを送りました。
フランス: ニコラ・サルコジ大統領は、日本からの要請に全面的に応じる用意があることを表明しました。100人以上で編成された救助隊が派遣され、原子力関連物資も提供されました。これには、ホウ酸や防護服などが含まれます。
アイルランド: 日本赤十字社へ100万ユーロの緊急支援資金を提供しました。

ベネルクス三国

オランダ: オランダ政府は100万ユーロの緊急支援資金を提供し、オランダ赤十字社を通じて寄付を募りました。また、マットレスなどの物資支援も行いました。アヤックス・アムステルダムはチャリティイベントを開催し、多額の義援金を寄付しました。
ベルギー: 支援を表明しました。
ルクセンブルク: ジャン・アッセルボルン副首相兼外相が来日し、哀悼とお見舞いを伝え、民間レベルでの支援活動も活発であることを報告しました。

東欧のEU諸国

ブルガリア: 支援を表明し、ベッドなどの物資を提供しました。また、義援金も寄付しました。
ルーマニア: 支援を表明しました。

中欧のEU諸国

ドイツ: アンゲラ・メルケル首相は、菅直人首相にお見舞い文を送り、支援を約束しました。救助隊の派遣や、原子力発電に関する専門家の派遣も申し出ました。また、反原発団体による抗議活動や、国際的な原子力政策の見直しを求める動きも発生しました。
オーストリア: 政府は100万ユーロの義援金を提供し、毛布や水容器などの物資を提供しました。
チェコ: 500万チェコ・コルナの義援金を日本赤十字社に提供しました。
スロバキア: 政府は義援金を贈呈し、山岳救助隊の派遣を申し出ました。また、食料や衣料品などの物資を提供しました。スロバキアの原子力発電所については、福島原発とは異なるタイプであるため、同様の事故は起こりにくいとの見解を示しました。
ポーランド: 消防士の派遣を申し出、義援金も提供しました。
ハンガリー: 食料品を宮城県に提供しました。
スロベニア: スロベニア赤十字社経由で義援金を送りました。

南欧のEU諸国

イタリア: 支援を表明し、ラクイラ市長は、東日本大震災への連帯と日本の支援への感謝を表明しました。
ギリシャ: 義援金を日本赤十字に提供しました。
スペイン: 支援を表明しました。
ポルトガル: 支援を表明しました。
キプロス: 支援を表明しました。
マルタ: 天皇陛下宛にお見舞いのメッセージを送り、義援金を提供しました。

北欧のEU諸国

スウェーデン: 作業用手袋やゴム長靴、毛布などの物資を宮城県と茨城県に提供しました。
デンマーク: フレデリック皇太子が来日し、被災地を慰問しました。また、デンマークからの寄付金や支援物資は総額約3億円に達し、東松島市など被災地に直接届けられました。毛布も提供しました。
フィンランド: 義援金を贈呈し、放射線計測モニターや水容器などの物資を茨城県に提供しました。

バルト三国

ラトビア: 義捐金を寄付しました。
エストニア: 緊急支援資金を提供しました。
リトアニア: 毛布や寝袋を茨城県に提供しました。

ロシア

ロシアは、大統領が「隣国としてできる限りの援助をする」と表明し、救助隊の派遣や天然ガスの供給量増加を申し出ました。また、義援金口座を開設し、医師や心理学者を含む救援隊の派遣も行いました。さらに、原子力関連の技術支援や電力援助も申し出ました。ロシア国内では、一般市民からの支援も活発に行われ、支援物資や絵画などが被災地に送られました。北方領土の島民からも、被災者への支援を申し出る動きがありました。

その他の欧州諸国

スイス: 救助隊を派遣し、宮城県で救助活動を行いました。患者輸送用の航空機も派遣しました。
リヒテンシュタイン: 日本政府と皇室に哀悼と御見舞いの意を表しました。
バチカン: 教皇ベネディクト16世が哀悼の意を表明し、義援金を送りました。また、ミサで義援金を募るなど、カトリック界全体で支援活動が活発に行われました。
モナコ: 支援を表明しました。
サンマリノ: 天皇陛下宛てにメッセージを送り、サンマリノ神社が建立されました。
アンドラ: 支援を表明しました。
アイスランド: 義援金を寄付しました。
ノルウェー: 支援を表明しました。
ウクライナ: 医療班派遣を準備し、放射能汚染を克服した経験から専門家派遣を提案しました。毛布などの物資を提供しました。
セルビア: 義援金をセルビア赤十字社経由で提供しました。
アルバニア: 義援金を寄付しました。
ボスニア・ヘルツェゴビナ: 政府関係者の給与から義援金を拠出し、自治体からも義援金が提供されました。
ベラルーシ: 天皇陛下にメッセージを送り、義援金を日本赤十字に提供しました。
クロアチア: デモ隊が日本大使館前で黙祷を捧げ、義援金を寄付しました。
モルドバ: 義援金を提供し、農業食品産業省からも義援金が提供されました。
モンテネグロ: 義援金を寄付しました。
北マケドニア: 義援金を日本赤十字に提供しました。
コソボ: 支援を申し出ました。

カフカース地方

ジョージア: 義援金を日本赤十字社に提供し、亡命政府もお見舞いのメッセージを送りました。
アゼルバイジャン: 義援金を日本赤十字社に提供しました。
アルメニア: 義援金を日本赤十字社に送金しました。

日本政府未承認の国家

北キプロス: 天皇陛下にメッセージを送りました。
南オセチア: 菅総理にメッセージを送り、震災の経験を共有しました。
アブハジア: 日本政府にお悔やみの書簡を送りました。

ヨーロッパの組織

欧州評議会: 哀悼の意と支援を表明しました。
マルタ騎士団: 支援募金を呼びかけ、緊急救済基金を援助しました。
欧州安全保障協力機構: 哀悼の意を表しました。



これらの支援活動は、ヨーロッパ各国が東日本大震災という未曾有の災害に対し、深い同情と連帯の意志を持って迅速かつ積極的に行動したことを示しています。

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