久能山東照宮

久能山東照宮の概要

久能山東照宮（くのうざんとうしょうぐう）は、静岡県静岡市に位置する歴史ある神社です。この神社は、江戸幕府の初代将軍である徳川家康を祀っています。家康は元和2年（1616年）に死去し、その遺志に基づいてこの地に埋葬されました。久能山は標高216メートルで、駿河湾に面した南斜面に所在し、1159段の曲がりくねった石段を登ることで到達することができます。この表参道は、多くの参拝者にとって神社の重要なアクセスルートです。

この社は、江戸時代から現代に至るまで、建物や庭の修繕が繰り返されてきました。社殿の塗り替えは20年ごとに行われていましたが、明治時代以降は50年ごとに実施されています。最近では2006年に最後の塗り替えが完了しました。2010年12月には、本殿、石の間、拝殿が国宝に指定され、その重要性が再確認されました。さらに、2015年には鎮座400年を祝うさまざまなイベントが開催され、歴史的な背景が多くの人々に認識される機会となりました。

歴史背景

久能山周辺は、古代から続く歴史ある土地であり、推古天皇（592年-628年）の時代には久能忠仁が久能寺を建立しました。その後も、この地は多くの名僧によって広まり、奈良時代の行基や静岡茶の始祖とも言われる円爾（聖一国師）などが往来し、栄えました。

1568年には武田信玄が久能寺を移転し、久能城を築きましたが、甲州征伐で武田氏が滅亡した後、久能城は徳川家康の領有となりました。家康は、「久能城は駿府城の本丸と思う」と述べ、久能山の重要性を強調しました。家康の死後、彼の遺志により、東照社が築かれ、元和3年（1617年）に社殿が完成しました。この神社は、家康の埋葬地としても知られ、彼の神格化された存在である「東照大権現」として、祭られています。

建築と文化財

久能山東照宮には、豊かな文化財があり、多くの建造物や美術工芸品が国宝や重要文化財に指定されています。特に、本殿、石の間、拝殿は代表的な権現造りで、江戸時代初期の建築様式を反映しています。

これらの建物は、江戸時代中期に本瓦葺きに改修され、貴重な文化遺産として存在しています。また、神社内には多くの重要文化財も存在し、唐門や廟門などがその一例です。

祭事とアクセス

久能山東照宮では、様々な祭事が行われています。例祭は毎年4月17日、春季大祭は2月に、秋季大祭は10月に行われます。また、毎月の月始祭や月次祭も定期的に実施されており、地域住民や観光客が参加する重要な行事です。

神社へのアクセスは、日本平ロープウェイを利用すると便利です。また、静岡駅や日本平からのバスも運行されており、そこからは石段を登ることができます。これらの経路を利用して、豊かな歴史と文化を感じたい参拝者が訪れています。

まとめ

久能山東照宮は、徳川家康を祀る神社として強い歴史的意義を持ち、多くの文化財や伝統行事が今も受け継がれています。この地を訪れることで、日本の歴史や文化を深く理解することができます。

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