東福院 (新宿区)

東福院

東福院は、東京都新宿区にある新義真言宗の寺院です。1611年（慶長16年）に祐賢法印によって開山され、大沢孫右衛門尉によって創建されました。当初は江戸麹町に位置していましたが、1634年（寛永11年）に現在の場所に移転しました。

歴史

東福院は、開山以来、地域の人々に親しまれてきました。境内には、特に有名な「豆腐地蔵」と呼ばれる地蔵菩薩像があります。この地蔵には、以下のような興味深い逸話が残っています。

豆腐地蔵の伝説

昔、東福院の近くに、欲深く悪質な豆腐屋がいました。その豆腐屋の店に、毎晩のように豆腐を買いに来る僧がいたそうです。ある夜、豆腐屋が僧が帰った後の代金を確かめると、それは樒の葉に変わっていました。これを化け狐か狸の仕業と考えた豆腐屋は、僧の後をつけ、遂には僧の左手を切り落としてしまいます。血痕を追っていくと、東福院の左手を欠いた地蔵まで続いていました。この出来事に深く反省した豆腐屋は、その後、真面目に商売に励み、生涯この地蔵に奉仕したと言われています。

出世弁財天

かつて東福院には、「出世弁財天」と呼ばれる弁才天像も祀られていました。徳川家康の家臣であった青山忠成が、「一城の主になりたい」とこの弁財天に祈願したところ、願いが叶い大名になったと伝えられています。このことから、「出世弁財天」として多くの人々の注目を集めました。しかし、残念ながら1945年（昭和20年）の空襲によって焼失し、現在はその姿を見ることはできません。

交通アクセス

東福院へのアクセスは以下の通りです。

東京メトロ丸ノ内線 四谷三丁目駅より徒歩6分
JR線 四ツ谷駅より徒歩10分

参考文献

新宿区立図書館 編『四谷南寺町界隈（新宿区立図書館資料室紀要5）』新宿区立図書館、1971年

外部リンク

納骨堂・永代供養墓|東福院四谷納骨堂【公式】

東福院は、歴史と伝説が息づく場所として、訪れる人々に心の安らぎと感動を与えています。新宿区を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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