東芝電池

東芝電池株式会社：電池事業の歩みと現在

東芝電池株式会社は、東芝ライフスタイルグループに属する電池メーカーです。長年にわたり、日本の電池業界において重要な役割を果たしてきました。その歴史は古く、多様な製品群と幾多の変遷を経て、現在の姿に至っています。

幅広い製品群

東芝電池株式会社は、一次電池から二次電池、さらには充電器やライトといった関連製品まで、幅広い製品ラインナップを誇っていました。

一次電池としては、アルカリ乾電池、マンガン乾電池、リチウム電池（塩化チオニルリチウム電池など）に加え、ボタン・コイン形電池（補聴器用空気電池、コイン形リチウム電池など）も製造していました。中でも、ニッケル乾電池「ギガエナジー」は、その高いエネルギー密度で知られていました。

二次電池では、ニッケル水素電池「充電式IMPULSE」を展開していました。

さらに、電池の性能をチェックするバッテリーチェッカーや、LEDライト、懐中電灯といった関連製品も提供していました。豆球を用いた従来型のライトは生産を終了し、現在ではLEDライトに統一されています。

幾多の変遷

東芝電池株式会社の歴史は、1906年（明治39年）12月、岡田乾電池として創業されたことに始まります。その後、幾度かの合併や買収、事業譲渡を経て、現在の東芝電池株式会社となりました。

1957年（昭和32年）、東京芝浦電気（現・東芝）が岡田乾電池の全株式を取得し、経営に参加。1981年（昭和56年）には、東京芝浦電気から電池、電池応用商品の営業を譲受し、商号を東芝電池株式会社に変更しました。

2000年（平成12年）にはニッケル水素電池の生産から撤退し、生産設備を三洋電機に売却。2004年（平成16年）には東芝コンシューママーケティング株式会社（後の東芝ホームアプライアンス）を完全親会社とし、営業権を譲渡しました。

2008年（平成20年）には、コンシューマー向け乾電池の生産から撤退し、生産設備をFDK（富士通グループ）に売却。2009年（平成21年）には、東芝ホームアプライアンスへ全事業を譲渡しました。しかし、塩化チオニルリチウム電池の製造販売は継続されています。

2016年（平成28年）には、東芝ライフスタイルの売却に伴い、東芝グループから離れました。

工場遍歴

東芝電池株式会社は、創業以来、複数の工場を操業してきました。

初期には、京都工場や蒲田工場がありましたが、現在は、群馬県安中市の碓氷川工場で塩化チオニルリチウム電池の製造が行われています。佐久工場は閉鎖され、高崎工場はFDK高崎工場として稼働しています。東京工場は閉鎖され、跡地はマンションとなっています。

グローバル展開

東芝電池株式会社は、日本国内のみならず、海外にも事業展開を行っています。香港、中国、アメリカに関連会社を持ち、グローバルな市場に貢献しています。

まとめ

東芝電池株式会社は、創業以来100年以上にわたる歴史の中で、数々の製品を生み出し、電池業界に貢献してきました。現在は、東芝グループから離れ、特殊電池の製造販売に特化して事業を展開しています。その歴史と技術力は、現代の電池技術の発展に大きな影響を与え続けています。今後も、独自の技術と革新的な製品開発により、社会に貢献していくことでしょう。

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