東龍子

東 龍子（あずま りゅうこ）の生涯

東龍子は、1917年1月10日に東京府南葛飾郡吾嬬町で今出りう子として誕生しました。彼女は14歳で映画界に足を踏み入れ、1931年に東京の河合映画製作社でデビューします。初めての主演作は、1933年の『マラソン令嬢』です。彼女はその年に市川百々之助主演の映画にも複数出演し、『開化異聞 落花の曲』では百々之助の相手役を務めました。

彼女のキャリアは、河合映画が大都映画に改組される1933年まで続きました。大都映画では、根岸東一郎監督の『真夏の夜の夢』で初めての作品を制作し、以降215本以上の映画に出演します。1942年の第二次世界大戦中には、大都映画が他の二社と合併し、大日本映画製作となるため、東は大映京都撮影所に移籍しました。

彼女は1951年には夫である阿部九洲男と共に宝プロダクションの『剣難女難』シリーズに出演、その後は1955年から東映京都撮影所にも多く関わります。特に『水戸黄門』や『銭形平次』など、テレビドラマにも力を入れ、幅広いジャンルの作品に関わり続けました。

彼女のプライベートでは、1942年に阿部と結婚し、その後彼が亡くなる1965年まで共に過ごしました。彼女は1965年以降も女優としてのキャリアを続けましたが、1998年の『大岡越前 第15部』を最後に引退します。以降、彼女の消息が長らく知られませんでしたが、2004年頃に亡くなったことが確認されました。彼女の死は、唐沢俊一のブログを通じて明らかになりました。

主な出演作品

• - 映画『夜明け』（1931年）
• - 映画『マラソン令嬢』（1933年）
• - 映画『真夏の夜の夢』（1933年）
• - 映画『忠臣蔵』（1937年）
• - 映画『剣難女難』シリーズ（1951年）
• - 映画『桃太郎侍 江戸の修羅王 南海の鬼』（1960年）
• - テレビドラマ『水戸黄門』（1971年、1978年、1989年など）
• - テレビドラマ『銭形平次』（1966年 - 1984年）

東龍子は、日本映画史において重要な役割を果たした女優であり、戦前から戦後にかけて多くの名作に出演し、多くの視聴者に親しまれました。彼女の作品は、今見てもその時代を感じさせ、映画ファンにとっては貴重な存在であり続けています。彼女の業績は、日本の映画文化におけるひとつの時代を象徴したものと言えるでしょう。

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