杵築大社

杵築大社

杵築大社（きづきたいしゃ）は、東京都武蔵野市に位置する神社です。旧社格は村社で、大國主大神（おおくにぬしのおおかみ）と事代主大神（ことしろぬしのおおかみ）の二柱を主祭神として祀っています。この神社は、三多摩地域に現存する富士塚の中でも2番目に大きい規模を誇る富士塚を有していることでも知られています。

歴史

杵築大社の歴史は、慶安年間（1648年から1651年）に遡ります。当時、松江藩の初代藩主であった松平直政は、徳川家光の従兄弟でもありましたが、この地を含む12町四方を将軍家より賜り、自身の御用屋敷を設け、鷹狩の場として利用していました。直政は、屋敷内に、出雲の杵築大社（現在の出雲大社）と稲荷社を勧請しました。これが杵築大社の起源とされています。

その後、貞享年間（1684年から1687年）に、松江藩の御用屋敷は幕府の直轄地となりましたが、神社はそのまま残り、当地の境本村の氏神として崇敬されるようになりました。

明治6年（1873年）12月には、境村の鎮守として村社に列格しました。さらに昭和21年（1946年）11月には、出雲の美保神社から事代主大神を勧請し、「えびす・だいこく」の二福神を祀る神社として、地域の人々から厚く信仰されるようになりました。

境内外社

杵築大社の境内には、本社の他にも以下の様々な神々を祀る社が鎮座しています。

富士浅間神社：木花開耶媛命（このはなさくやひめのみこと）を祀る
稲荷神社：豊受大神（とようけのおおかみ）を祀る
八坂神社：素盞嗚大神（すさのおのおおかみ）を祀る
弁天宮：市杵嶋姫命（いちきしまひめのみこと）を祀る
金刀比羅宮：大物主大神（おおものぬしのおおかみ）を祀る
松平稲荷社：宇迦之御魂神（うかのみたまのかみ）を祀る

これらの境内社は、それぞれ異なる神徳を持ち、参拝者の様々な願いに応えています。

文化財

杵築大社には、以下の文化財があります。

杵築大社の富士山：武蔵野市指定史跡に指定されています。この富士塚は、かつて富士山信仰が盛んであった頃に、富士山を模して築かれたものです。昭和47年（1972年）3月16日に指定されました。
杵築大社の千本イチョウ：武蔵野市指定天然記念物に指定されています。樹齢を重ねたイチョウの巨木は、神社の歴史と自然を象徴する存在です。昭和47年（1972年）3月16日に指定されました。
杵築大社の武蔵野八景碑：武蔵野市指定有形文化財です。武蔵野の風景を詠んだ碑で、地域の文化を伝えています。平成30年(2018)7月2日に指定されました。

脚注

関連文献として、以下の資料が挙げられます。

「境村 杵築大社」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ125多磨郡ノ37、内務省地理局、1884年6月。

外部リンク

東京都神社庁のページ'>杵築神社（杵築大社）: 東京都神社庁による杵築大社の紹介ページ
武蔵野市観光推進機構のページ'>杵築大社: 武蔵野市観光推進機構による杵築大社の紹介ページ
* 武蔵野市のページ'>市内の文化財と民俗資料: 武蔵野市による市内の文化財紹介ページ

杵築大社は、歴史と文化、そして自然が調和した場所として、地域の人々に大切にされています。訪れる人々は、神社の静寂な雰囲気の中で、心静かに過ごすことができるでしょう。

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