松尾泰宏

松尾泰宏（まつお やすひろ）は、1937年3月17日生まれ、佐賀県出身の元ボートレーサーです。

1961年の第7回モーターボート記念競走（宮島）で、SG級レース初制覇を成し遂げました。その後も1979年の第14回鳳凰賞競走（浜名湖）で、松野寛選手を破り、17年7ヶ月ぶりとなるSG2勝目を挙げるなど、瀬戸康孝選手と共に佐賀と九州のボートレース界を牽引しました。

特筆すべきは、1971年の第6回鳳凰賞競走（蒲郡）で、弟の幸長選手が優勝しており、2023年現在も唯一の兄弟SGレーサーとしてその名を刻んでいます。1973年の第19回モーターボート記念競走（下関）では、兄弟でのSG優出という快挙を達成し話題となりましたが、優勝は同郷の瀬戸選手で、泰宏選手は4着、幸長選手は5着という結果に終わりました。

1994年の第40回モーターボート記念競走（児島）でも、林通選手・貢選手兄弟がSG優出を果たしましたが、優勝は同じく同郷の関忠志選手で、通選手は4着、貢選手は5着でした。

松尾選手は、平成に入ってからもトップレーサーとして活躍を続けました。特にホームプールである唐津では、周年記念競走で3連覇を達成するなど、合計7回の優勝を誇り、その強さは他を圧倒していました。

1998年7月28日の住之江競艇場での一般競走が最後の優出となり、2000年3月13日の戸田競艇場での一般戦で最後の勝利を飾りました。そして、同年3月26日の唐津競艇場での一般戦が最後の出走となりました。

2009年には、長年の功績が認められ、ボートレースの殿堂入りを果たしました。

主な獲得タイトルは以下の通りです。

1959年 - 唐津開設6周年記念競走
1961年 - 第7回モーターボート記念競走（宮島）
1962年 - 唐津開設9周年記念競走
1967年 - 徳山開設14周年記念競走
1971年 - 唐津開設18周年記念競走
1972年 - 下関開設17周年記念競走
1975年 - 唐津開設22周年記念競走、下関開設20周年記念競走
1977年 - 唐津開設23周年記念競走
1978年 - 唐津開設24周年記念競走、若松開設28周年記念競走
1979年 - 第14回鳳凰賞競走（浜名湖）、九州地区選手権競走（芦屋）、若松開設29周年記念競走
* 1983年 - 唐津開設29周年記念競走、鳴門開設30周年記念競走

松尾選手の親族として、弟の幸長選手も元ボートレーサーであり、引退後はスポーツニッポン西部本社の評論家を務めた後、1995年頃から2008年まで14年間、唐津市議会議員を務めました。幸長選手は2012年に逝去しています。

松尾泰宏選手は、その卓越した技術と実績で、ボートレース界に多大な貢献をした選手の一人として、永くその名が語り継がれるでしょう。

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