松尾稔

松尾稔（まつお みのる）は、1936年7月4日に生まれ、2015年5月9日に逝去した日本の工学者です。名古屋大学の名誉教授であり、同大学の元総長を務めました。専門は土質工学であり、その分野で顕著な業績を残しました。京都市の出身です。

学歴と職歴

1960年に京都大学工学部土木工学科を卒業後、1962年に同大学院工学研究科修士課程を修了しました。その後、1964年に京都大学の講師となり、1965年には助教授に昇進しました。

1969年には、「引揚力を受ける基礎と複合地盤の支持力に関する研究」で京都大学から工学博士の学位を取得しました。1972年には名古屋大学工学部の助教授に就任し、1978年には教授に昇進しました。1989年には工学部長に、1995年には名古屋大学理工科学総合研究センター長に就任しました。

1998年には名古屋大学の総長に就任し、2004年に退任、名誉教授となりました。その後、財団法人科学技術交流財団の理事長、なごや環境大学（非正規の大学）の学長、2004年6月には中部電力株式会社の社外監査役、2006年には財団法人名古屋都市センターの理事長を歴任しました。

叙位は正三位です。

受賞と栄典

松尾稔は、その業績により数多くの賞を受賞しています。

1968年度 土質工学会奨励賞
1979年度 土木学会論文賞
1983年度 土質工学会論文賞
1984年度 土木学会著作賞
2003年度 土木学会功績賞
2012年 春季叙勲 - 瑞宝大綬章

これらの賞は、松尾稔の研究が土木工学の発展に大きく貢献したことを示しています。

著書

松尾稔は、土質工学に関する多数の著書を執筆しています。主な著書には以下のものがあります。

『最新土質実験 その背景と役割』 森北出版、1974年
『地盤工学 信頼性設計の理念と実際』 技報堂出版、1984年

共著

松尾稔は、他の研究者との共著も多数発表しています。主な共著には以下のものがあります。

『土質工学基礎叢書 7 土圧』 富永真生共著、鹿島出版会、1975年
『都市の地下空間 開発・利用の技術と制度』 林良嗣共編著、鹿島出版会、1998年
* 『地盤環境工学の新しい視点 建設発生土類の有効活用』 本城勇介共編著、技報堂出版、1999年

松尾稔は、土質工学の分野において、教育者、研究者、そして社会貢献者として、多岐にわたる活動を通じて大きな足跡を残しました。彼の業績は、土木工学の発展に不可欠であり、後進の研究者たちに大きな影響を与え続けています。

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