松山駅 (台北市)

台湾 台北市の交通要所、松山駅

松山駅は、台湾の台北市に位置する、台湾鉄路管理局（台鉄）と台北捷運（MRT）が乗り入れる重要な駅です。駅は信義区と松山区にまたがり、市民の足としてだけでなく、観光客にとっても欠かせない交通拠点となっています。

鉄道駅としての歴史

松山駅の歴史は古く、1891年10月20日に「錫口火車碼頭」として開業しました。日本統治時代には「錫口停車場」と改称され、1920年10月1日には現在の「松山駅」という名称になりました。時代とともに駅の機能は拡充され、1955年には二等甲駅、1987年には一等駅へと昇格しています。また、かつては縦貫線の下り旅客列車の始発駅としての役割も担っていました。

1980年代には貨物業務の縮小や駅舎の改築が行われ、2003年からは地下化工事に伴い一時的に仮駅での営業となりました。そして2008年、地下駅として新たに生まれ変わり、現在に至っています。2013年には、JR四国の松山駅と姉妹駅提携を結び、両駅間の交流を深めています。

鉄道網の要

松山駅には、台湾鉄路の縦貫線と台北捷運の松山線（松山新店線）が乗り入れています。台湾鉄路では、一部の特急列車を除き、ほぼ全ての列車が停車し、台北の重要なターミナル駅の一つです。台北捷運では、松山新店線の駅として、市民の通勤・通学の足として活躍しています。

駅の構造

台湾鉄路の松山駅は地下2階にホームがあり、島式ホーム2面4線を有しています。改札は地下1階に位置し、駅構内にはEMU100型電車をモチーフにした売店があり、台湾のお土産や駅弁を購入できます。一方、台北捷運の松山駅は地下3階にホームがあり、島式ホーム1面2線を有しています。台北捷運の駅としては珍しく、開業当初からフルスクリーンタイプのホームドアが設置されています。改札は地下2階にあります。

駅周辺の施設

松山駅周辺は、多くの商業施設や観光スポットが集まるエリアです。駅に直結する「潤泰松山駅大楼」や「シティリンク松山店」などの商業施設、また「AMBAホテル台北松山」などの宿泊施設もあります。周辺には、環島1号線（自転車道）のゼロキロポストがあり、自転車で台湾を一周する旅の出発点にもなっています。

その他にも、「慈済台北東区事務所」「人間福報社」「仏光山台北道場」などの宗教施設、「台北市立図書館松山分館」「松山区行政中心」などの公共施設も点在しています。「五分埔成衣商圏」は、衣料品の問屋街として知られ、多くの観光客が訪れます。また、「松山慈祐宮」は、地元の人々に親しまれる歴史ある寺院です。

さらに、「松山国小」「永吉国中」「永春国小」などの教育機関も周辺にあります。これらの施設は、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。駅周辺は、商業、観光、文化が融合した、活気あふれるエリアです。

バス路線

松山駅周辺には、多くの路線バスが乗り入れています。バス停名は「松山車站」「松山車站（八徳）」「松山車站（松山）」「松山車站（松隆）」などがあり、目的地によって利用するバス停が異なります。これらのバス路線は、市内各地へのアクセスを便利にしています。また、国道客運（高速バス）や公路客運（市外バス）のバス停も近くにあり、長距離移動にも便利です。

近隣駅

台湾鉄路では、松山駅の隣駅は縦貫線北段の南港駅と台北駅です。台北捷運では、松山新店線の隣駅は南京三民駅です。これらの近隣駅との連携により、広範囲な移動が可能です。

松山駅は、台北の重要な交通拠点であると同時に、周辺地域の人々の生活を支える重要な駅です。その歴史と発展は、台北の都市開発と深く結びついています。

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