松岡辰郎

松岡辰郎：映画と演劇界を牽引した東宝の経営者

松岡辰郎（1904年11月18日 - 1974年8月12日）は、日本の映画・演劇界において重要な役割を果たした人物です。彼は、9代目東宝代表取締役社長、コマ・スタジアム代表取締役社長、松岡汽船代表取締役社長など、数々の要職を歴任しました。また、映画団体産業連合会長、日本映画製作者連盟理事長、日本演劇興行協会会長、日本経済団体連合会常任理事、東京商工会議所常任委員としても活躍しました。山梨県出身。

生い立ちと経歴

松岡辰郎は、東宝の創業者である小林一三の次男として生まれました。1930年に慶應義塾大学を卒業すると同時に、松岡節子と結婚し、松岡家の養子となりました。義父は、松岡汽船の創業者であり、呉羽紡績の発起人役員であった松岡潤吉です。松岡辰郎は、松岡汽船の役員をはじめ、阪急百貨店の取締役も務めました。

1951年に義父・潤吉が亡くなると、松岡汽船代表取締役社長に就任。1957年3月25日には東宝の取締役にも就任しますが、父・一三と兄の小林富佐雄が相次いで亡くなったことで、阪急グループ全体の総帥となります。彼は主に興行部門で才能を発揮し、帝国劇場の代表取締役社長なども歴任しました。1957年3月には梅田コマ・スタジアムの社長、1958年3月には新宿コマ・スタジアムの社長に就任。1964年8月には両スタジアムを合併し、コマ・スタジアムの初代代表取締役社長となりました。

1962年9月25日には東宝代表取締役会長、1966年9月24日には同社の社長に就任。1968年4月1日には東宝芸能アカデミーが発足し、理事長に就任しました。1971年9月16日には映画団体産業連合会長に就任するなど、映画業界の発展に尽力しました。

1974年8月12日午後2時48分、胃腫瘍のため兵庫県西宮市の兵庫医科大学病院で死去。享年69歳でした。

家族

松岡辰郎の家族構成は以下の通りです。

父親: 小林一三（阪急電鉄/百貨店・東宝創設者）
義父: 松岡潤吉（松岡汽船創業者）
兄: 小林富佐雄（5,7代目東宝代表取締役社長）
弟: 小林米三（京阪神急行電鉄代表取締役社長）
長女: 小林喜美(小林米三の養女となり、小林公平（旧姓三村。小林家に婿養子となる。阪急電鉄社長）と結婚
長男: 松岡通夫（松岡汽船代表取締役社長）
次男: 松岡功（11代目東宝代表取締役社長）
孫: 松岡宏泰（【次男・功の長男】東宝東和取締役会長、15代目東宝代表取締役社長 社長執行役員）
孫: 松岡修造（【次男・功の次男】タレント、元テニスプレイヤー）

受賞歴

1974年8月16日 - 正四位勲二等瑞宝章

関連項目

* フジテレビ（辰郎が開局に関与）

松岡辰郎は、日本の映画・演劇界に多大な貢献をした人物として、その名が刻まれています。

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