松島剛蔵

松島剛蔵の生涯

松島剛蔵（まつしま ごうぞう）は文政8年3月6日（1825年4月23日）、長州藩の萩中ノ倉で生まれた。彼は藩医である松島瑞蟠の長男で、尊王攘夷運動や倒幕運動に参加した幕末の志士である。剛蔵の弟には吉田松陰の妹婿である小田村伊之助や小倉健作がいる。

医師としての活動と江戸遊学

天保2年（1831年）、父・瑞蟠が精神的な病にかかり廃人扱いとなったため、剛蔵は家督を継ぐ。彼は江戸にて坪井信道に学び、4年間の遊学を経た後、藩の世子・毛利元徳の侍医となる。その後、長崎に赴いて勝海舟と共に海軍伝習所でオランダ人から航海術を3年間学び、帰藩後に洋学所及び軍艦教授所を設立した。この教授所には高杉晋作らの門下生が集まった。

海軍の成長

安政4年（1857年）、長州藩初の西洋式軍艦の製造が始まり、剛蔵は初代長州藩海軍総督として丙辰丸の艦長に就任する。彼は桂小五郎と共に海軍の充実を訴える請願書を藩庁に提出し、これが認められると万延元年（1860年）には、海軍の艦で江戸に向かう航海を実行。さらに水戸藩との連携を約束した丙辰丸の盟約を結ぶ。

攘夷運動と戦争

文久2年（1862年）、剛蔵は高杉や久坂らと共に御楯組を結成し、江戸品川のイギリス公使館を襲撃。文久3年（1863年）には下関戦争に参加し、庚申丸を指揮して米国商船やフランス艦、オランダ艦に対して攻撃を行った。この戦闘では、長州藩は一時的に勝利を収めたが、同年6月には米国軍艦の猛烈な反撃を受け、多大な損害を被ることとなった。

死とその後

元治元年（1864年）、禁門の変が起こると、剛蔵らは萩野山獄に投獄される。12月の戦況の変化により、剛蔵は処刑されることとなり、満39歳でこの世を去った。彼の辞世の句は伝えられている。明治時代には正四位が贈られ、誕生の地には記念の石碑が立てられ、彼の墓は山口県萩市の東光寺に存在する。

著書と文化的影響

松島剛蔵は、彼自身の経験や思想をまとめた「覚」書を残しており、現存する著作の一つとして彼の思想と活動を後世に伝えている。また、彼は2015年に放送されたNHKドラマ『花燃ゆ』にも登場し、幕末の重要な人物としての存在感をアピールしている。本稿では、松島剛蔵の生涯とその歴史的意義について考察した。

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