松平保定

松平保定（まつだいら もりさだ）は、1926年8月19日に東京で生まれ、2011年8月9日に肺炎のため84歳で亡くなった、日本の実業家であり、会津松平家の13代目当主でした。旧華族の子爵という家柄で、父は松平保男、母は水野忠敬の娘・進子です。息子にNHKエンタープライズのプロデューサーである松平保久、孫に保久の長男である親保がいます。

1944年、父の死去に伴い、18歳で爵位を継承しました。翌年の1945年には、財団法人会津保松会（現在の会津松平家奉賛会）設立の際に名誉顧問に就任し、会津藩主松平家の墓所（院内御廟）や御薬園の維持・管理に尽力しました。これらの活動を通して、会津松平家が辿ってきた歴史と文化を後世に伝えることに貢献しました。

大学卒業後は、農林中央金庫に29年間勤務し、実業家としての手腕を発揮しました。定年退職後には、松平永芳が靖国神社の宮司を退任するにあたり、後任の打診を受けました。当初は就任する意向でしたが、旧会津家臣からの意見を受け、「賊軍とされた会津の戦死者が祀られていない状況で、会津の人間としてその職を受けるわけにはいかない」として、この申し出を断りました。この決断は、会津藩の歴史と、そこで亡くなった人々の名誉を重んじる彼の強い意志を示すものと言えるでしょう。

1989年の昭和天皇崩御の際には、大葬祭官に任命され、日本の重要な儀式に携わりました。これは、彼の社会的な地位と、彼に対する信頼の厚さを示すものでしょう。松平保定は、会津松平家の当主として、また一人の実業家として、日本の社会に貢献した人物でした。

彼の生涯は、会津松平家の歴史と伝統を守りながら、現代社会で活躍した人物の姿を伝えています。彼の功績は、会津の人々だけでなく、日本の歴史に関心を持つすべての人々にとって、記憶されるべきものでしょう。

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