松平信治

松平信治：小島藩の基礎を築いた藩主

松平信治（まつだいら のぶはる）は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した大名であり、駿河国小島藩の第2代藩主です。滝脇松平家9代当主として、藩の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと家督相続

信治は、6400石の旗本である戸田重恒の次男として生まれました。母は松平典信の娘であり、松平信孝の妹にあたります。幼名は助十郎、初名は重秀と名乗っていました。

元禄3年（1690年）、先代藩主であった信孝が死去した際、信治は母方の甥にあたることからその養嗣子となり、家督を継承しました。これにより、小島藩の藩主としての道を歩み始めます。

小島藩の成立と信治の功績

宝永元年（1704年）、信治は陣屋を小島に移しました。これにより、小島藩が正式に成立したのは、信治の時代からであると言えます。また、彼は奥詰・御小姓・大番頭といった役職も歴任しました。

新川事件と領地経営

宝永2年（1705年）から、信治の治世下で麻畑沼（麻機沼）の新田開発を巡り、知行地である瀬名の農村と請負人の商人らとの間で、約90年にも及ぶ新川事件が勃発しました。この事件は、藩の財政にも大きな影響を与えました。

後継者と晩年

信治には2人の男児がいましたが、いずれも早世してしまいました。そのため、享保9年（1724年）3月29日に信治が52歳で死去した後、家督は従弟で養嗣子である信嵩が継承しました。彼の墓所は、東京都台東区下谷の英信寺にあります。

系譜

実父: 戸田重恒
実母: 松平典信の娘
養父: 松平信孝
正室: 田村建顕の娘
子女: 戸田忠位正室
養子: 松平信嵩（松平信庸の六男）

松平信治は、小島藩の藩主として、藩の基礎を築き、領民のために尽力しました。彼の業績は、後世にまで語り継がれています。

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