松平定良

松平定良：若くして亡くなった桑名藩主

松平定良（まつだいら さだよし）は、寛永9年（1632年）に生まれ、江戸時代前期に伊勢国桑名藩の藩主を務めた人物です。父は淀城代の松平定綱で、定綱系久松松平家の2代目にあたります。官位は従五位下・摂津守でした。

生涯

定良は幼少の頃から聡明で知られており、慶安3年（1650年）に桑名城下で大洪水が発生した際には、自ら船に乗り込んで領民の救助に尽力したという逸話が残っています。慶安4年（1651年）に父・定綱が亡くなったため、慶安5年（1652年）に家督を継ぎました。

しかし、定良は生まれつき病弱であり、藩政を十分に執ることができませんでした。療養のために有馬温泉へ赴くことが多く、明暦3年（1657年）に有馬温泉からの帰国途中に病に倒れ、京都で亡くなりました。享年26歳という若さでした。跡を養子の定重が継ぎましたが、定良の死により定綱の男系は途絶えることとなりました。

家臣からの信望も厚く、定良の死後には3名の家臣が殉死したと伝えられています。また、生涯を通じて正室を迎えることはありませんでしたが、それは町家の娘と恋に落ちていたためであるという説もあります。

系譜

父：松平定綱
母：曜安院 - 浅井氏、側室
婚約者：浅野光晟の娘
養子：松平定重 - 松平定頼の三男

人物

松平定良は、若くして亡くなったものの、その聡明さと領民を思う心で人々に慕われた藩主でした。彼の短い生涯は、多くの人々に惜しまれ、家臣の殉死や町娘との恋の噂など、様々なエピソードが語り継がれています。

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