松平家治

松平家治（まつだいら いえはる）は、安土桃山時代に生きた武士であり、右京大夫の官位を有していました。

生い立ち

家治は、奥平信昌の次男として生まれました。母は徳川家康の長女である亀姫であり、幼名は亀松丸と名付けられました。兄には奥平家昌、弟には奥平忠政、松平忠明らがいます。

天正16年12月24日（1589年2月9日）、家治は外祖父である駿府の徳川家康から養子に迎えられることを望まれ、実家である奥平家を離れることになります。この時、奥平家では、鳥居強右衛門や黒屋甚九郎といった長篠の戦いで壮絶な死を遂げた忠臣の子弟たちが、亀松丸に付き従いました。元服の際には、外祖父である家康から偏諱と松平姓を授けられました。

関東移封と早世

徳川家康が関東に移封されると、家治は上野国長根において7000石を拝領しました。しかし、わずか14歳という若さでこの世を去りました。戒名は桃林院桃谿宗朔大禅定門です。家治には嗣子がおらず、彼を祖とする家系は一代で途絶えることとなりました。死因については、詳しいことは分かっていません。

家治の死後、奥平家には新たに養子が迎えられることとなり、末弟である鶴松丸（後の松平忠明）が家康の養子となりました。

このように、松平家治は徳川家康という有力者の影響を受けながらも、若くして短い生涯を終えた人物です。彼の人生は、戦国時代から江戸時代への移行期における武士の運命を象徴していると言えるかもしれません。

もう一度検索