松平康忠

松平康忠

松平康忠（まつだいら やすただ）は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将であり、長沢松平家の8代目当主。徳川家康の従兄弟として知られています。

生涯

永禄3年（1560年）5月の桶狭間の戦いにおいて、父である松平政忠が討死。幼少だった康忠は、祖父である松平親広に後見されました。母である碓井姫は、後に徳川家の重臣である酒井忠次に再嫁しています。

永禄5年（1562年）に元服し、三河国宝飯郡小坂井などで1,810貫文を知行しました。叔父にあたる松平信重や松平近清も、家康からそれぞれ100貫文を与えられ、康忠を補佐しました。松平信重は三河一向一揆で家康方として討死しましたが、松平近清はその後も康忠を支え、天正16年（1588年）に亡くなっています。

元亀元年（1570年）には、義父である酒井忠次に従って姉川の戦いに参加。天正3年（1575年）の長篠の戦いでも忠次に従い、武田信実が守る鳶の巣砦を攻略し、長篠城を開放しました。その後、家康の嫡男である徳川信康のもとで老職を務めましたが、天正7年（1579年）の信康の自刃により蟄居を余儀なくされました。

その後、家康に召喚され、本能寺の変の際には家康の伊賀越えに同行。小牧・長久手の戦いにも参戦しました。天正16年（1588年）に家督を嫡男である康直に譲り、京都に居を構えます。

しかし、武蔵深谷藩の藩主となっていた康直が文禄2年（1593年）に24歳で病没。家康の七男である松千代を康直の養子とし、深谷藩1万石を相続させました。しかし、松千代も慶長4年（1599年）に夭折したため、その兄である辰千代（後の松平忠輝）に名跡を継がせました。元和4年（1618年）8月10日に死去。享年73。

元和2年（1616年）に起きた松平忠輝の改易によって長沢松平家の嫡流は途絶えましたが、康忠の系統は後世に伝わっています。娘が同じ長沢松平一族の松平忠直（大名とは別人）に嫁いでおり、隠居していた康忠は、この娘の子である直信を養子とし、家伝来の品を譲りました。直信の子孫は代々幕府に御家再興を嘆願し続けましたが、認知されず、数代後にようやく微禄を与えられ長沢松平本家は再興されました。

なお、天文9年（1540年）の安城合戦で戦死したとされる同姓同名の松平康忠（甚六郎）が存在しますが、こちらは松平親忠系で松平張忠の子であり、別人です。

関連項目

* 徳川十六神将

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