松平康映

松平康映（まつだいら やすてる）は、江戸時代前期に活躍した武将で、和泉国岸和田藩の第2代藩主、播磨国山崎藩主を経て、石見国浜田藩の初代藩主となりました。松井松平家2代として、その名を歴史に刻んでいます。

生涯

元和元年（1615年）、丹波篠山藩主・松平康重の次男として篠山で生まれました。兄・康政の早世により、寛永10年（1633年）に世子に指名され、同年12月28日に従五位下・淡路守に叙位・任官されます。寛永17年（1640年）に父・康重の死去に伴い家督を相続し、岸和田藩主となりました。しかし、間もなく播磨山崎への移封を命じられます。

慶安2年（1649年）8月12日、石見浜田へ移封され、浜田藩主として新たな藩政を担うことになります。康映は、まず検地を実施し、領内の状況を把握することから始めました。これにより、年貢の徴収や領民の管理を適切に行い、藩政の基礎を固めました。

また、文化的な事業にも力を注ぎました。万治元年（1658年）には、家老・石川正西（昌隆）に命じて『聞見集』の作成を開始させました。この書物は、藩内の出来事や情報を記録したもので、藩政運営の参考資料として活用されました（完成は万治2年（1659年））。

延宝2年12月30日（1675年）に60歳で死去。跡は三男の康官が継ぎました。甥には「石見国名所松葉集」を記した新清元麿（弟・康紀の子）がいます。

系譜

父：松平康重
正室：岡部宣勝の娘

子女
松平康官（三男）
松平康明
村瀬康致（五男）
* 松仙院 - 脇坂安政正室

松平康映は、激動の時代を生き抜き、藩政の安定に尽力した人物として、後世に語り継がれています。その功績は、単なる領主としてだけでなく、文化の振興にも貢献した点にあります。浜田藩における康映の足跡は、今もなお、その地で息づいています。

もう一度検索