松平忠刻 (桑名藩主)

松平忠刻

松平忠刻（まつだいら ただとき）は、江戸時代中期の大名であり、伊勢国桑名藩の2代藩主を務めました。官位は従四位下・下総守。奥平松平家4代当主にあたります。

生涯

享保3年（1718年）9月11日、初代藩主・松平忠雅の三男として、江戸浅草の鳥越下屋敷にて誕生しました。母は側室の関口氏。幼名は岩吉、初名は清種（きよたね）と名乗っていました。

兄ではなく、世子であった異母弟・忠張が早世したため、元文3年（1738年）6月28日に庶出ながら世子に指名され、諱を忠刻に改めました。これは、奥平松平家の家督を継ぐ者にのみ与えられる「忠」の字を冠することを意味します。延享3年（1746年）に父・忠雅が死去したため、家督を継ぎました。

藩主としての忠刻の時代は、多難の連続でした。宝暦5年（1755年）には桑名城下が大火に見舞われ、宝暦10年（1760年）と明和4年（1767年）には洪水が発生。これらの災害からの救済のため、幕府からの借金を余儀なくされ、藩財政は悪化の一途を辿りました。明和5年（1768年）には、家臣の知行を半知借上するという措置も行っています。

明和8年（1771年）4月8日に病に倒れたため、幕府に隠居を申し出て、6月14日に家督を次男・忠啓に譲りました。天明2年（1782年）12月27日に死去。享年65歳でした。

系譜

父母
父: 松平忠雅
母: 永林院 - 関口氏（側室）

正室
清暁院 - 酒井忠寄の娘

側室
純性院 - 市原氏

子女
長男: 松平忠泰
次男: 松平忠啓 - 生母は純性院（側室）
* 次女: 律姫（清涼院） - 池田重寛正室

松平忠刻は、藩主として災害からの復興に尽力しましたが、藩財政の悪化を食い止めることはできませんでした。しかし、その治世は、次代へと繋がる重要な時代であったと言えるでしょう。

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