酒井忠寄

酒井忠寄：庄内藩主として、老中として

酒井忠寄（さかい ただより）は、江戸時代中期に活躍した出羽庄内藩の第5代藩主であり、酒井佐衛門尉家の11代当主です。彼は藩主としてだけでなく、老中としても幕府の政治に深く関与しました。

生涯

忠寄は、庄内藩の支藩である松山藩主・酒井忠予の次男として生まれました。本家の酒井忠真に実子がいなかったため、養子として迎えられ、第4代藩主・忠真の跡を継ぎました。

当時の庄内藩は、蝦夷地の警備と東北地方の外様大名に対する監視という重要な役割を担っており、通常は幕府の役職に就くことはありませんでした。しかし、忠寄は寛延2年（1749年）に46歳で老中に抜擢され、異例の人事として注目されました。

老中在任中には、宝暦騒動（郡上一揆）の責任者として、その裁判を担当し、事態の収拾に尽力しました。明和3年（1766年）に63歳で亡くなり、家督は長男の忠温が継承しました。

経歴

1704年（宝永元年）：誕生
1720年（享保5年）：摂津守に任官
1731年（享保16年）：父の死去に伴い庄内藩を継承。左衛門尉に任官
1749年（寛延2年）9月28日：老中に就任
1764年（明和元年）5月16日：老中を辞任
1766年（明和3年）：死去（63歳）

系譜

父：酒井忠予
母：不詳
養父：酒井忠真
正室：蝶姫 - 前田綱紀の養女、浅野吉長の娘
長男：酒井忠温（1732-1767）
側室：山本氏
七男：松平資尹（1746-1765）
女子：松平忠刻正室
生母不明の子女
四男：植村寿朝（1736-1753）
五男：本多康伴（1740-1771）
男子：本多忠久

酒井忠寄は、藩主として領地を治める一方で、老中として幕政にも深く関与し、その手腕を発揮しました。彼の業績は、庄内藩の歴史だけでなく、江戸時代の政治史においても重要な位置を占めています。

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