松平忠誠 (武蔵国忍藩主)

松平 忠誠（まつだいら ただざね）

松平忠誠は、江戸時代後期に活躍した大名であり、武蔵国忍藩の第4代藩主として知られています。彼は官位として従四位上・左近衛少将を持ち、奥平松平家の12代目にあたります。

生い立ちと家督相続

松平忠誠は、大久保忠声（下野国烏山藩主・大久保忠保の弟）の長男として誕生しました。彼は忍藩の後継者であった忠毅の死去に伴い、養子に迎えられました。文久3年、忠国を養父とする忠誠は彼の隠居によって家督を受け継ぎ、藩の指導権を握ることとなります。

官位の昇進と上洛

忠誠が家督を相続した同年の4月1日、彼は従四位下・侍従・下総守の官位に任じられます。さらに、8月26日には京都への警備のため上洛が命じられ、9月22日には孝明天皇に拝謁する機会を得ました。この特別な出来事は、彼の地位を一層強化するものでした。

元治元年の1864年3月には、彼は幕府から帰国許可を受け、翌月には従四位上・左少将に昇進しました。その後、江戸警備の任務を担う傍ら、長州征討へと関与していきます。慶応元年には、長州征討のために5千両を献上し、藩としての協力を示しました。

京都警備と帰国

慶応2年、彼は再び京都警備を命じられ、7月には上洛することが決まりました。10月22日には、任務を終えた忠誠に帰国の許可が与えられました。

戊辰戦争と藩内の分裂

しかし、幕末の混乱の中で忠誠は1868年の鳥羽・伏見の戦いにおいて徳川慶喜が大坂へ退去する際、紀伊からの退却を余儀なくされました。その後、藩内では新政府軍に抵抗する派と降伏する派とで意見が分かれましたが、忠誠は藩論を一つにまとめることはできませんでした。最終的には、彼の養父である忠国が出てきたことで藩内の意見がまとまり、2月には新政府に恭順する決断が下されました。

最期

明治2年の1869年6月5日、松平忠誠は30歳でこの世を去りました。彼の死は、忍藩の歴史において重要な一ページを刻むこととなります。

系譜

• - 父: 大久保忠声
• - 母: 高嶋氏（側室）
• - 養父: 松平忠国
• - 養子: 松平忠敬（上杉斉憲の六男）

松平忠誠の人生は、歴史の激動の中で藩の指導者としての使命を果たし、重要な役割を果たしたことを物語っています。

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