松平正義

松平正義は、文化3年（1806年）に大多喜藩第5代藩主・松平正路の四男として生を受けました。大河内松平宗家9代当主にあたります。文政9年（1826年）に兄で第6代藩主であった松平正敬の隠居に伴い、その養子となり家督を継承しました。同年12月には叙任されています。

藩主となった正義は、藩政において学問を重視しました。大多喜城三の丸に「望庵堂」という学問所を創設し、藩士の子弟の教育に尽力しました。この望庵堂は、後の藩校である明善堂へと発展し、藩の人材育成に大きく貢献することになります。

天保8年（1837年）7月11日、正義は32歳という若さでこの世を去りました。跡目は、養子である松平正和（先代藩主・正敬の長男）が継ぎました。



系譜

実父: 松平正路（第5代大多喜藩主）
養父: 松平正敬（第6代大多喜藩主）
正室: 英 - 松平頼慎の五女
継室: 尚 - 本多忠升の長女
子女:
大河内正晴（長男）
建部政和正室
養子: 松平正和（松平正敬の長男、第8代大多喜藩主）



また、正義の曾孫にあたる人物として、ジャーナリストであり『週刊埼玉』の社長を務めた亀井トムがいます。

正義は若くして亡くなりましたが、藩校の基礎を築き、人材育成に貢献したことは、大多喜藩の歴史において特筆すべき事績と言えるでしょう。

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