建部政和

建部政和（たけべ まさより）

建部政和は、江戸時代後期に播磨国林田藩の第9代藩主を務めた大名です。1849年に父である建部政醇の隠居に伴い家督を継ぎ、藩主となりました。幼少の頃から非常に聡明であったと伝えられています。

1850年には従五位下・内匠頭に叙任され、藩主としての地位を確立しました。藩政においては、藩校敬業館に漢詩人で儒学者である河野鉄兜を教授として招き、学問の振興に努めました。河野鉄兜からは尊皇攘夷思想を強く影響を受けたとされています。

1857年には大番頭に就任し、幕府の要職も務めました。しかし、1863年2月2日に、大番頭として勤務していた二条城にて31歳という若さで急逝しました。その死は惜しまれ、跡は長男である建部政世が継ぎました。

墓所は京都府京都市北区紫野にある大徳寺芳春院にあります。建部政和の生涯は、幕末の動乱期における藩主としての苦悩と、その中で見せた聡明さを今に伝えています。

系譜

父: 建部政醇（たけべ まさあつ）（1795年 - 1875年）：第8代林田藩主
母: 不詳
正室: 松平正義の娘
継室: 朽木綱張の養女（朽木綱条の娘）
子女:
長男: 建部政世（たけべ まさよ）（1855年 - 1877年）：第10代林田藩主

建部政和は、激動の時代を駆け抜けた藩主であり、その短い生涯の中で、藩政の改革と学問の振興に力を尽くしました。また、尊皇攘夷思想に触れたことで、幕末の動乱に影響を与えた人物としても知られています。

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