松平直常

松平直常は、越前松平家の一員として、延宝7年（1679年）に誕生しました。父は越前国大野藩主・松平直明です。幼少の頃から将軍・徳川綱吉に御目見えするなど、将来を嘱望されていました。

元禄14年（1701年）、父の隠居に伴い明石藩主を継承。その治世は、幕府からの度重なる使役によって藩財政が逼迫する苦難の連続でした。宝永元年（1704年）には大和川改修工事を命じられ、正徳元年（1711年）には朝鮮通信使の接待役を務めました。これらの使役は藩財政をさらに悪化させる要因となりました。

また、享保17年（1732年）には享保の大飢饉が発生し、明石藩もイナゴの被害に見舞われました。藩主として、領民の救済に奔走しましたが、困難を極めました。

寛保2年（1742年）には脳卒中を患い、右足が不自由になったため、寛保3年（1743年）に長男・直純に家督を譲り隠居。延享元年（1744年）、明石城二の丸にて66歳で生涯を閉じました。

直常は、苦難の多い藩主 ജീവിതながらも、領民のために尽力しました。その功績は、今日まで語り継がれています。

系譜
父：松平直明（1656-1721）
母：仙姫 - 鏡智院、松平定頼の養女、酒井忠朝の娘
正室：浅姫 - 松平清照の娘
室：幾代子 - 松田友成の養女
長男：松平直純（1727-1764）

参考文献
黒田義隆編著『明石藩略史』明石葵会、1981年

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