松平頼寛

松平頼寛（まつだいら よりひろ）

松平頼寛は、江戸時代中期に活躍した大名であり、陸奥国守山藩の2代藩主です。守山松平家の3代目として知られています。官位は従四位下・大学頭、侍従。

生涯

元禄16年（1703年）に初代藩主・松平頼貞の三男として生まれました。母は茂（松本氏）。兄・頼尚が廃嫡されたため、代わりに嫡子となりました。元文3年（1738年）に父の隠居により家督を継ぎ、藩主となりました。

藩政においては、財政の立て直しと殖産興業に尽力しました。具体的には、ウルシ50万本の植樹計画を推進し、藩内全域で定免法を施行しました。これにより、藩の財政基盤を安定させるとともに、産業の振興を図りました。

若い頃には荻生徂徠に師事し、その学問の影響を強く受けました。藩主となってからも、藩校養老館を創建し、学業を奨励しました。文化の振興にも力を注ぎました。

また、支藩である常陸府中藩主・松平頼済（頼寛の実弟）と共に、老中堀田正亮の邸宅に呼び出され、水戸藩の財政改革を直接命じられました。このことがきっかけとなり、水戸藩の宝暦の改革が実施されることになりました。頼寛は、水戸藩の改革においても重要な役割を果たしたのです。

宝暦13年（1763年）に61歳で亡くなりました。長男の頼羆と次男の頼篤が早世していたため、三男の頼亮が跡を継ぎました。

晩年には徳川家康の伝記である『大三川志』を編纂するなど、文筆活動にも力を注ぎました。また、「仙子」の雅号を用いて書を嗜み、絵画も描くなど、文化人としての側面も持ち合わせていました。菊栽培に関する著書『菊経国字略解』や、論語注釈書の比較本『論語徴集覧』、『発字便蒙解』といった著作も残しています。

系譜

正室：茂登姫 - 松平義孝娘
長女：幾 - 松平義敏正室
長男：頼羆
側室：曽代 - 益田弥兵衛娘
次男：頼篤
三男：頼亮
四男：頼融
五男：頼溥

松平頼寛は、藩政の改革や文化の振興に尽力しただけでなく、学問や芸術にも造詣が深い人物でした。その功績は、今日においても高く評価されています。

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