松形祐堯

松形祐堯（まつかた すけたか）

日本の政治家、官僚。1918年（大正7年）2月26日、宮崎県えびの市に生まれた。中央官界で要職を歴任し、林野庁長官を務めた後、郷里の宮崎県に戻り県知事を6期24年にわたり務め上げた。

生涯と学歴

宮崎県立小林中学校（現在の宮崎県立小林高等学校）を卒業後、鹿児島高等農林学校（現在の鹿児島大学）で学び、さらに九州帝国大学農学部へと進んだ。1942年（昭和17年）に大学を卒業し、戦時下の農林省（当時）に入省した。

官僚としてのキャリア

農林省に入省した松形氏は、林野行政を中心にキャリアを積んでいく。1954年（昭和29年）に名古屋営林局事業部利用課長、1956年（昭和31年）には青森県農林商工部林務課長に就任するなど、地方での経験も積んだ。その後、林野庁指導部造林保護課長補佐、科学技術庁資源局科学調査官、徳島県農林部長などを経て、1969年（昭和44年）には熊本営林局長に昇進した。1971年（昭和46年）に林野庁指導部長、そして1974年（昭和49年）7月には林野庁のトップである林野庁長官に就任。日本の林業行政において重要な役割を果たした。

政治家への転身と宮崎県政

林野庁長官を退官した後、松形氏は政治の道に進むことを決意する。1976年（昭和51年）の参議院議員補欠選挙に宮崎県選挙区から自由民主党の公認を得て立候補したが、惜しくも当選には至らなかった。しかし、1979年（昭和54年）、当時の宮崎県知事であった黒木博氏の任期途中での辞職に伴い、宮崎県知事選挙に出馬。この選挙で当選を果たし、宮崎県政のトップに立つこととなる。

6期24年の長期政権

松形祐堯氏は、1979年の初当選以来、県民の支持を得て再選を重ね、実に6期24年間にわたり宮崎県知事の職を務めた。この在任期間は当時の都道府県知事としては極めて長く、長期安定した県政運営を担った。晩年には全国の知事の中で最高齢であり、その豊富な経験と人脈を生かして県政を推進した。知事在任中には、国際級リゾート「シーガイア」の整備や、高速自動車国道の整備促進など、宮崎県の基盤整備や観光振興に関わる大規模な事業が進められた。これらの事業は賛否両論を巻き起こすものもあったが、宮崎県の将来像を描き、その実現に向けて尽力した。

2003年（平成15年）に知事を退任。

晩年

知事退任後、2004年（平成16年）には長年の功績に対し、旭日大綬章を受章した。

2007年（平成19年）8月23日、肺炎のため89歳で死去した。死去同日付で従三位に叙された。

家族

実弟に、元えびの市長を務めた松形良正氏がいる。

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シーガイア
* 高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路

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