高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路

高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路

高速自動車国道に平行して整備される一般国道の自動車専用道路は、高規格幹線道路の一つであり、通称「A'路線」として知られています。この道路は、本来、高速自動車国道としての整備が計画されていたものの、早急に全区間を整備する必要性が薄いとされる路線の沿線に位置しています。特に、渋滞解消やアクセス改善のために、バイパス道路の早急な整備が求められる区間の一部では、高速自動車国道の一部を一般国道バイパスとして先行して整備することが行われています。

建設費用は、国と地方自治体が共同で負担する形が取られており、その比率は2対1です。また、高速道路会社や以前の日本道路公団などが追加で建設費用に投入するケースも見られます。全ての資金が税金から支出される場合、通行者に対する料金は不徴収となり、一方で、民間が負担する場合には一般有料道路として利用されることになります。

この道路は、実質的には高速自動車国道の一部として扱われますが、法的には一般国道のバイパスとして認識されています。これにより、高速道路の法定最高速度や最低速度は適用されず、速度制限は60 km/hとなっています。また、有料道路の場合、独自の料金設定が必要になるため、その通行料金は通常の高速自動車国道よりも設定が高くなる傾向があります。

更には、特定の道路ではETC設備を利用する車両に対して料金が軽減される取り組みも存在します。例えば、広島岩国道路や、三重県の伊勢湾岸道路などがその例です。これにより、利用者にとって経済的な負担が軽減される仕組みが整っています。

隠れ高速

1966年に制定された国土開発幹線自動車道建設法によって、高速自動車国道の建設は規制されており、路線網は7,600 kmに限られています。これに記載されていない地点での高速道路建設は自治体の希望のみでは成立せず、この法律に基づいて計画が進められる必要があります。しかし地方自治体は経済発展を目指し、高速道路の誘致を図ろうとするため、別の手段でアクセスを改善しようとします。一般国道を利用した「隠れ高速」と呼ばれる戦略がその一例です。

例えば、有力政治家が国道バイパスの建設を推進し、結果的にそのバイパスが高速道路としての機能を持つように働きかけるケースが多く見られました。こうした動きにより、一般有料道路が全国各地で整備され、地域経済の発展に貢献することになりました。

1987年には国土開発幹線自動車道の拡充が進み、従来の7,600 kmから14,000 kmに増加しました。これに伴い、並行する一般有料道路も高速自動車国道としての役割を果たすようになるなど、高速道路ネットワークが整備されていく過程が見られました。

道路審議会の提言

1995年には道路審議会が刊行した中間答申によって、「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」の概念が明確化されました。これは有料道路の整備における方向性を示したもので、全国料金プール制の負担軽減と道路ネットワークの早急な整備の必要性が強調されました。特に交通需要の少ない地域においては、従来の一般国道を自動車専用道路として整備し、高速道路の機能を果たすことが求められました。これは、別途高速道路を建設する負担を軽減するための戦略とされており、将来的な高速自動車国道編入を見越しての施策であるとも言えるでしょう。

このように、高速自動車国道に平行する一般国道自動車専用道路は、道路ネットワークの構築と地方経済の発展を目的とした重要なインフラとして位置づけられており、その整備方法や政策が地域に与える影響についても注目が集まっています。

もう一度検索