松本晃

松本 晃（まつもと あきら）

1985年4月4日、大阪府大阪市に生まれた松本晃氏は、日本の元社会人野球選手です。主に外野手として活躍し、そのキャリアを通じて数々の輝かしい実績を残しました。

大阪市西淀川区で育った松本氏は、幼少期から野球に親しみ、大阪市立姫島小学校、大阪市立西淀中学校時代には硬式野球チームの淀川シニアに所属しました。高校は名門PL学園高等学校に進学。ここでは、後にプロ野球選手となる小窪哲也氏や、人気漫画家となるなきぼくろ氏らと同期として汗を流しました。高校3年時には、夏の甲子園、第85回全国高等学校野球選手権大会への出場を果たし、全国の舞台を経験しました。

高校卒業後、松本氏は横浜商科大学に進学し、神奈川大学野球リーグでプレーしました。大学ではその打棒が開花し、1年生の秋季リーグで首位打者を獲得。2年生の春からはチームの主軸である4番打者を任され、4年生の春季リーグでは打点王のタイトルを獲得するなど、中心選手として活躍しました。また、リーグのベストナインにも3度選出されるなど、大学野球界屈指の外野手としての評価を確立しました。

2008年、JR東日本に入社し、社会人野球選手としてのキャリアをスタートさせました。入社初年度からレギュラーの座を掴みましたが、3年目の2010年には打撃不振に陥り、打順が降格するなど苦しい時期も経験しました。しかし、翌2011年には復調し、再び4番打者としてチームを牽引。特にこの年の第82回都市対抗野球大会では、その真価を発揮しました。東日本大震災の影響で10月に京セラドーム大阪で開催されたこの大会で、松本氏は全5試合に4番として出場。決勝戦ではNTT東日本と対戦し、同点に追いつく本塁打と、試合を決める延長でのサヨナラ二塁打を放ち、チームの全打点を一人で叩き出すという驚異的な活躍を見せました。この鮮烈なパフォーマンスが高く評価され、大会の最優秀選手に贈られる橋戸賞を受賞しました。

2012年も好調を維持し、攻守にわたって堅実なプレーを見せました。この年の活躍が認められ、社会人野球のその年のベストナイン（外野手）に選出されました。さらに、国際舞台でも活躍の機会を得て、アジア野球選手権大会では日本代表として出場しました。

2013年の第84回都市対抗野球大会では、打撃の面で再び歴史に名を刻みました。決勝進出までの5試合で4本塁打を放ち、2002年に都市対抗大会で使用されるバットが木製に変更されて以降の大会最多タイ記録を樹立しました。これは、外国人選手であるシダックスのオレステス・キンデラン氏以来となる快挙でした。この大会でも打撃賞と大会優秀選手に選ばれ、社会人野球のトッププレーヤーとしての地位を確固たるものにしました。この年の社会人ベストナインにも2年連続で選ばれています。また、2013年の東アジア競技大会や2014年のアジア競技大会にも日本代表として出場するなど、国際経験も豊富です。

2018年シーズンをもって、約11年間にわたる現役生活にピリオドを打ちました。現役引退後は、古巣であるJR東日本野球部でコーチを務め、後進の指導にあたりました。しかし、2021年限りでコーチ職を退き、JR東日本の社業に専念することが公表されました。

野球界から離れた後の活動として、2022年12月時点では、JR東日本首都圏本部の管轄する常磐線松戸駅にて、駅業務に従事していることが同社の公式SNSで明かされています。

松本晃氏は、アマチュア時代から一貫して中心打者として活躍し、特に社会人野球の最高峰である都市対抗野球では、MVPである橋戸賞受賞や本塁打記録樹立など、歴史に残る功績を残しました。複数回の社会人ベストナイン選出や、国際大会での日本代表としての経験など、輝かしいキャリアを築いた選手であり、引退後も様々な形でチームや会社に貢献しています。

もう一度検索