松本望 (音楽家)

松本望（まつもと のぞみ）は、日本の作曲家、ピアニストであり、教育者としても活動しています。北海道出身で、国立音楽大学ピアノ科と洗足学園音楽大学作曲科で非常勤講師を務めています。

人物

松本は、東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業、同大学院修士課程作曲専攻を修了しています。その後、2006年にフランスへ渡り、パリ国立高等音楽院ピアノ伴奏科を審査員の満場一致で首席卒業という輝かしい経歴を持っています。作曲を土田英介、尾高惇忠に、ピアノを三角祥子、北島公彦、浜口奈々、エリック・ベルショに、伴奏法をジャン・ケルネルに師事しました。

経歴

作曲家としての活動は、2003年に東京文化会館主催合唱作品作曲コンクールで『混声合唱組曲「あなたへ」』が最優秀賞を受賞したことから本格的に始まりました。この作品は出版され、全国の合唱団で歌われるようになり、松本の名前は広く知られるようになりました。その後も、自作の合唱組曲や編曲作品を多数出版し、合唱界において重要な作曲家の一人として認知されています。

特に、全日本合唱コンクールでは、2011年に混声課題曲として『混声合唱組曲「あなたへ」』から「やわらかいいのち」（作詩：谷川俊太郎）が、2014年には女声課題曲として「ゆうやけ」（作詩：みなづきみのり）が、2018年には女声課題曲として『無伴奏女声合唱のための「3つのessais」』から「雪」（作詩：堀口大學）が選ばれており、その作品はコンクールを通して多くの合唱団に歌い継がれています。

また、2015年にはNHK全国学校音楽コンクールの高等学校の部課題曲『メイプルシロップ』（作詩：穂村弘）の作曲を担当するなど、合唱音楽の分野で多岐にわたる活躍を見せています。

大学在学中から、作曲活動と並行して、室内楽を中心とした演奏活動も精力的に行っています。アンサンブル・ピアニストとしては、数多くの合唱団との共演を重ねています。自身の合唱の伴奏者としての経験をまとめた「合唱エクササイズ ピアニスト編」も出版しており、合唱ピアニストの育成にも貢献しています。

受賞歴

松本は、作曲家、ピアニストとして数々の賞を受賞しています。1992年には第46回全日本学生音楽コンクールピアノ部門小学校の部で全国1位、2000年には第24回PTNAピアノコンペティションソロG級全国大会で銀賞を受賞するなど、ピアニストとしての実力も高く評価されています。

2003年には、東京文化会館主催合唱作品作曲コンクールで最優秀賞を受賞。2007年には、第4回リヨン国際室内楽コンクールで第1位、聴衆賞、批評家賞を受賞（ヴァイオリンとピアノのデュオ）。2009年には、第55回マリア・カナルス国際音楽コンクールピアノトリオ部門で第1位、特別賞を受賞しています。

主な作品

松本の主な作品には、以下のようなものがあります。

混声合唱
混声合唱組曲「あなたへ」（作詩：谷川俊太郎、カワイ出版）
混声合唱組曲「むすばれるものたち」（作詩：谷川俊太郎、カワイ出版）
混声合唱とピアノのための組曲「天使のいる構図」（作詩：谷川俊太郎、カワイ出版）
混声合唱とピアノのための組曲「歌が生まれるとき」（作詩：みなづきみのり、カワイ出版）
混声合唱とピアノ、シンバルのための組曲「やがて音楽が」（作詩：塔和子・新川和江・みなづきみのり、カワイ出版）
「二つの祈りの音楽」 混声合唱とピアノ連弾のための（作詩：宗左近、カワイ出版）

女声合唱
女声合唱とピアノのための組曲 「光の方へ」（作詩：新川和江、カワイ出版）
無伴奏女声合唱のための「3つのessais（エッセ）」（作詩：堀口大學、音楽之友社）

男声合唱
男声合唱とピアノのための「天使のいる構図」（作詩：谷川俊太郎、カワイ出版）
男声合唱とピアノのための組曲「瞬間（とき）の輝き」（作詩：高見順、カワイ出版）
男声合唱とピアノのための組曲「回風歌」（作詩：木島始、カワイ出版）
「二つの祈りの音楽」男声合唱とピアノ連弾のための（作詩：宗左近、カワイ出版）

著作

合唱エクササイズ ピアニスト編（カワイ出版、既刊2巻）

外部リンク

* 公式ブログ

松本望は、作曲家、ピアニスト、教育者として、多岐にわたる分野で才能を発揮し、日本の音楽界に大きく貢献しています。

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