松本民之助

松本民之助（まつもと たみのすけ）

プロフィール

松本民之助は、1914年7月11日に生まれ、2004年3月15日に没した日本の作曲家であり、教育者です。東京藝術大学の名誉教授を務め、日本の音楽教育界に多大な貢献をしました。

生涯

1936年、東京音楽学校甲種師範科を卒業。在学中から作曲を下総皖一に、声楽を伊藤武雄に、ピアノを福井直俊に師事し、音楽家としての基礎を築きました。

1938年には、交響曲『文覚』がワインガルトナー賞優等賞を受賞し、作曲家としての才能を早くから開花させました。松本は、作曲家としての活動だけでなく、教育者としても後進の育成に尽力しました。東京藝術大学音楽学部附属高等学校では、生徒たちに熱心かつ厳格な指導を行い、多くの優秀な音楽家を育てました。弟子には、坂本龍一や嵐野英彦、赤石敏夫などがいます。

作風と作品

松本民之助は、幅広いジャンルの作品を手掛けました。ピアノ曲では、組曲「童画集」や「ピアノポエム」シリーズなど、繊細で美しい旋律が特徴です。また、歌曲では、日本的な情緒を大切にした作品が多く、「日本の郷愁」などの歌曲集は、多くの人に愛されています。合唱曲では、「河童と蛙」など、親しみやすい作品も残しています。さらに、校歌の作曲も数多く手がけ、全国各地の学校で松本作品が歌い継がれています。主な作品は以下の通りです。

語りぶし「龍と琵琶」
組曲「童画集」（ピアノ）
ピアノ組曲第1番・第2番
ピアノポエム1～10番
ピアノのための「旅の音詩」
オラトリオ「切支丹物語」
歌曲集「日本の郷愁」
歌曲「春日狂想」
歌曲「わたりどり」
合唱曲「河童と蛙」
語りぶし「オデアシコ」「子もりじぞう」「あほろくの川だいこ」「寒い母」
松本民之助歌曲集Ⅰ～Ⅶ
歌曲集「水辺の祈り」Ⅰ～Ⅲ
酒田市立若浜小学校校歌
千葉大学教育学部附属小学校校歌
川越市立中央小学校校歌
由利本荘市立本荘南中学校校歌
川越市立城南中学校校歌
川越市立福原中学校校歌
川越市立山田中学校校歌
長野市立更北中学校校歌
千曲市立東小学校校歌
松本市立錦部小学校
香川大学教育学部附属坂出小学校校歌
箕輪町立箕輪中部小学校校歌
高松市立牟礼中学校校歌
東京都立桜町高等学校校歌
富山県高朋高等学校校歌
富山県黒部市立桜井中学校校歌
島根県立松江工業高等学校校歌
島根県立松江南高等学校校歌
長崎県立川棚高等学校校歌
愛知県刈谷市立依佐美中学校校歌
岐阜県恵那市立大井小学校校歌
下伊那の歌　その一
茅野市の歌
美濃加茂市の歌
長野県松川町立松川中学校校歌
茨城工業高等専門学校校歌

教育活動と著書

松本民之助は、教育者としても多くの業績を残しました。東京藝術大学では、長年にわたり作曲科の教授として学生を指導し、後進の育成に尽力しました。また、音楽教育に関する著書も多く、「作曲法」や「作曲技法」、「日本の子どもの音楽」など、音楽教育の基礎となる書籍を多数執筆しました。これらの著書は、現在でも音楽教育の現場で活用されています。主な著書は以下の通りです。

作曲法（全音楽譜出版社、1954年）
作曲技法（教育出版、1958年）
日本の子どもの音楽（音楽教育図書、1962年）
音楽基礎技法（音楽教育図書、1962年）
音楽創作の指導（音楽教育図書、1964年）
日本旋法（音楽教育図書、1965年）
日本旋法のソルフェージ（明治図書出版、1969年）

音楽界への貢献

松本民之助は、作曲家、教育者として、日本の音楽文化の発展に大きく貢献しました。その作品は、今もなお多くの人に愛され、演奏され続けています。

脚注

[出典]（元の文章に脚注の記載がありましたが、具体的な出典が不明なため、省略します。）

もう一度検索