松本神社

松本神社

松本神社は、長野県松本市丸の内に鎮座する神社で、松本城の北隣に位置しています。地元では「ごしゃ（五社）」という名で親しまれています。この神社は、複数の歴史的な変遷を経て現在の形となりました。

歴史

松本神社の歴史は、江戸時代初期に松本を治めていた戸田氏に遡ります。戸田氏は、寛永10年（1633年）に明石へ転封となりましたが、寛永13年（1636年）に藩主の戸田光重が、伯父の戸田永兼を祀るために明石城内に「新宮」という社を設けました。この新宮は、後に暘谷霊社と名を改め、享保11年（1726年）に戸田氏が松本に再び入部した際に、戸田光慈によって松本に移されました。

その後、暘谷霊社には、戸田永兼（暘谷）に加え、寛政9年（1797年）には戸田光行によって遠祖の一色兵部少輔（片宮）と戸田宗光（今宮、今宮八幡宮）が合祀されました。さらに、天保2年（1831年）には戸田光年によって松平康長（洪武）と正室の松姫（淑愼）が合祀され、五柱の神を祀る「五社」として知られるようになりました。

かつて境内には、暘谷社の勧請と同時に志摩国鳥羽から移された真言宗弥勒院がありましたが、明治時代の廃仏毀釈によって廃寺となりました。弥勒院の本尊であった釈迦如来坐像は、現在、安曇野市一日市場の観音堂に移されています。

若宮八幡宮

松本城の二の丸西北隅には、かつて松本城鎮守社が鎮座していました。この社は、深志城を築城したとされる島立貞永を祀るために、その子である島立貞知が城の鎮守として建てたとされています。その後、松本の領主として復帰した小笠原貞慶によって、倉稲魄命（稲荷社）が合祀されました。

寛文10年（1670年）には、水野忠直が松本城鎮守社の社殿を造営しました。この時、松本に古くからあった仁徳天皇を祀る神社の社殿が破損していたため、氏子が旧鎮守社の建物をもらい受け、その社殿は現在の松本市筑摩三才に若宮八幡社本殿として国指定重要文化財として現存しています。さらに、正徳年間には水野忠周が神田明神の分霊を勧請し、宝暦年間には水野氏によって埋の橋の北に社殿が造営されました。

文政8年（1825年）には、神道宗家である吉田家から若宮八幡の社号を許され、大正時代に五社の境内に移されました。

合祀と現在

1953年、五社と若宮八幡宮が合祀され、名称を松本神社と改めました。これにより、現在では一つの神社として、地域の人々に親しまれています。

境内の外、道路の中央分離帯上には、御神木である大欅がそびえ立っています。

所在地とアクセス

所在地: 〒390-0873 長野県松本市丸の内

交通アクセス:
JR東日本・アルピコ交通（通称・松本電鉄）松本駅から徒歩約25分
松本駅お城口よりアルピコ交通（通称・松本電鉄バス）「タウンスニーカー」北コースで「池上百竹亭」停留所下車

周辺情報

松本神社の周辺には、以下のような観光スポットがあります。

松本城
松本市旧司祭館
全久院
旧開智学校
中町蔵の会館
松本市はかり資料館
松本市時計博物館
四柱神社

これらのスポットと合わせて、松本神社の歴史と文化に触れてみてください。

関連項目

松本市の名所・旧跡
松本市の歴史


松本神社は、松本の歴史を語る上で欠かせない場所です。訪れる際には、この神社の歴史と文化に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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