松村信定

松村 信定（まつむら のぶさだ）について

松村信定は、1955年1月10日に高知県高知市で生まれ、競輪選手として名を馳せた人物です。彼は、競輪学校の第36期生として1975年にデビューしましたが、その前の学歴もユニークでした。古い公立高校である高知県立高知追手前高等学校を卒業しており、この校は戦後一貫して進学校のトップに位置づけられることが多い名門校です。彼は父の松村憲の影響を受け、在学中から自転車競技に親しんできました。

競輪選手としてのキャリアは非常に多様で、松村は1975年11月13日に高知競輪場でデビューし、そのデビュー戦で早々に勝利を収めることとなります。その後、マーク型の選手として知られるようになり、1978年にはオールスター競輪に出場し、特別競輪の常連となりました。ただし、彼の競技人生はすべて順調だったわけではありません。特に、1977年の競輪祭新人王戦では2着でフィニッシュしながらも失格されてしまうなど、運に恵まれない部分も見受けられました。

1982年に高松競輪場で開催された第25回オールスター競輪では、彼の競技人生の中でも特に輝かしい瞬間が訪れます。四国から唯一、決勝に進出した松村は、九州勢を相手にしたレースを制し、優勝を果たしました。この勝利は、彼の父親が同じオールスター競輪で優勝したことを受け継ぐもので、親子で特別競輪を制した初めてのケースとなりました。決勝での車券成績16,000円は、その時代における特別競輪決勝の最高配当としても名を刻むこととなりました。

松村は、その後もトップ選手として1998年頃まで活躍し続け、1989年の全日本選抜競輪では3着を記録します。上位のS級に長らく在籍していた彼は、2011年12月に地元である高知競輪場での『山崎勲杯』で引退することを発表しました。彼は競技生活の最終日に「我が競輪人生に悔いなし」という言葉を残し、競技バンクを去りました。その結果、円満な引退という形で幕を閉じることができました。

通算成績としては、彼は2859戦中266勝、優勝44回という成績を残しました。引退した後は、競輪評論家として再び競輪界に関わり続けることとなります。特に、松村とその父親である松村憲との親子で特別競輪を制覇したことを称えて、高知競輪場では「松村憲・松村信定土佐の親子鷹杯」というイベントが開催されています。これは、競輪界における親子の絆を象徴するものとして、ファンの間でも高く評価されています。

このように、松村信定の競輪選手としてのキャリアは、ただ単に競技の成績にとどまらず、親子二代にわたる偉業としても語り継がれるべきものとなっています。

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