松村良之

松村良之（まつむら よしゆき）は、1947年に生まれた日本の法学者です。特に法社会学の分野において重要な貢献を果たし、北海道大学名誉教授の称号を得ています。

略歴

松村氏は1969年に東京大学法学部を卒業後、母校である東京大学の助手として研究者としてのキャリアを歩み始めました。

1975年4月、北海道大学法学部の助教授に就任。その後、1984年4月には同法学部の教授へと昇任しました。北海道大学では、1998年に法学部長を務め、教育・研究の責任者としての手腕を発揮しました。さらに2000年には、北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センターの教授も兼任しました。

2006年10月に北海道大学を退官し、同大学から名誉教授の称号を授与されました。

北海道大学退官後も研究・教育活動を続け、千葉大学法経学部の教授に着任しました。2009年からは千葉大学大学院人文社会科学研究科の教授も務めましたが、2012年に同大学を退官しました。

その後もその知見は高く評価され、明治大学研究・知財戦略機構および明治大学法と社会科学研究所の客員研究員として籍を置きました。また、教育の場においては、千葉大学大学院専門法務研究科で法社会学を、法政大学専門職大学院法務研究科では法と経済学を担当する非常勤講師として教鞭を執りました。

これに加えて、過去には1993年と1994年に千葉大学法経学部で非常勤講師を務めた経験もあります。研究活動の成果として、2000年には国際交通安全学会賞を受賞しています。

研究領域

松村氏の主要な専門分野は法社会学ですが、その研究対象は多岐にわたります。法社会学を基盤としつつ、その周辺分野として法心理学、法と経済学、犯罪の経済学といった領域にも深く踏み込んでいます。近年では、人工知能と法という、現代社会における新たな課題にも研究対象を広げ、学際的な視点から法と社会のあり方を探求しています。

主要著作

単著の他に、多くの共著、編著、共訳にも参加しており、その研究成果は幅広い形で発表されています。

上原行雄・長尾龍一編『自由と規範 : 法哲学の現代的展開』（分担執筆、東京大学出版会、1985年）
環太平洋法律家会議組織委員会編『環太平洋時代と法』（分担執筆、東信堂、1991年）
ジェイムズ・M・インヴァラリティ著、川本哲郎・宮澤節生・土井隆義と共訳『刑事法の法社会学―マルクス・ヴェーバー・デュルケム』（東信堂、1994年）
六本佳平編『法社会学の新地平』（分担執筆、有斐閣、1999年）
田村善之編『情報・秩序・ネットワーク (北海道大学法学部ライブラリー)』（分担執筆、北海道大学出版会、1999年）
和田仁孝・阿部昌樹・太田勝造共編『法と社会へのアプローチ (Series Law in Action)』（分担執筆、日本評論社、2004年）
村山眞維と共編『現代日本の紛争処理と民事司法 1』（東京大学出版会、2010年）
長谷川晃編『法のクレオール序説-法融合の秩序学 (北海道大学大学院法学研究科研究選書6)』（分担執筆、北海道大学出版会、2012年）

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