松浦久

松浦 久（まつら ひさし）について

平安時代後期に活躍した武士、松浦久は肥前国の松浦氏の始祖とされています。彼は渡辺綱の曾孫であり、その出自には源頼光との深い関係があります。今回は彼の生涯や業績について詳しく見ていきます。

出自

松浦久の出自を知るには、源頼光が正暦元年（990年）に肥前守に任ぜられ、松浦郡に向かった出来事から振り返ることが大切です。彼は渡辺綱を伴い、筒井村に住みつつ、任期を終えたのは正暦5年（995年）のことでした。この期間中、渡辺綱は奈古屋で授をもうけ、彼は地名から奈古屋授、または源次授、渡辺授と呼ばれるようになります。このように、松浦氏が肥前国と結びつく基盤が形成されたのです。

略歴

松浦久は奈古屋授の子である瀧口泰の子として誕生します。延久元年（1069年）、久は松浦郡宇野御厨の荘官に任命されました。ここで彼は松浦と彼杵郡、さらに壱岐国の約2230町を領有し、梶谷に住むことになります。このことから、彼は松浦久と名乗るようになりました。その後、久は検非違使に補され、従五位に叙されています。

久は源太夫判官として、松浦郡と彼杵郡の一部、さらには壱岐郡を治め、ここに肥前松浦党の歴史が幕を開けます。このように、彼が主導した政治的な地位は、松浦氏の発展と密接に結びついています。

死去

松浦久の死は、その歴史の中で二つの異なる文献によって異なる日時が記録されています。『松浦家世伝抄』によれば、彼は久安4年（1148年）9月15日に亡くなったとされていますが、『松浦大系図』および『松浦党系譜』では久寿元年（1154年）9月15日に死去したと述べられています。このような異なる記録は、多くの場合、歴史的な混乱や解釈の違いに起因しており、松浦久の活動の曖昧さを示しています。

結論

松浦久の生涯は、平安時代の武士としての歩みを明らかにし、さらに松浦氏の歴史を形作る重要な要素となっています。彼の存在によって、松浦氏は肥前国における政治的権力を築くきっかけとなります。これからも、松浦氏の歴史はさらなる研究と考察を必要とし続けることでしょう。彼の足跡を辿ることは、豊かな日本の歴史を理解する一助となるかもしれません。

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出典

• - 吉村茂三郎『松浦叢書』（1938年）

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