松田トシ

松田トシのプロフィール

松田トシ（まつだ トシ、1915年3月7日 - 2011年12月7日）は、日本のソプラノ歌手および声楽家で、松田敏江の名義でも知られています。彼女はその独特の歌声と豊かな音楽教育の背景を持って、多くの人々に影響を与えました。

経歴の概要

松田は神奈川県横浜市に生まれ、東京音楽学校で学びました。在学中には長坂好子やマリヤ・トルに師事し、音楽の基礎をしっかりと身につけました。卒業後は日本大学の芸術科や東京女子体操音楽学校で講師として教壇に立ちました。

1936年にはNHKで「フォーレ歌曲」を初放送し、その後も国民歌謡として多くの曲を歌う形で広く知られるようになりました。戦後も、「白鳥の歌」や「ブンガワン・ソロ」など、多くのヒット曲を吹き込みました。

1949年から1970年代にかけては、NHKの『うたのおばさん』に約15年間出演し、安西愛子と共演しました。この番組では、多くの視聴者に親しまれ、彼女の歌声は多くの人々の心に残りました。

彼女の活動はテレビにも広がり、1960年代と1970年代には日本テレビのオーディション番組『スター誕生!』の審査員としても名を馳せました。この番組では、出場者に対する辛口な評価が話題となりました。

表彰・受賞歴

松田はその音楽活動に対して、多くの表彰を受けました。1971年には第一回日本童謡賞特別賞を受賞し、その後も1987年には勲四等瑞宝章を受章しました。1975年には上田女子短期大学の副学長として教育にも貢献しました。さらに、1982年にはラストコンサートを開いて歌手業からの引退を表明しましたが、教育者としての活動は続けました。

後進の育成と影響

松田は後進の育成にも熱心で、岩崎宏美・良美姉妹や新沼謙治など、多くの著名なアーティストを育てました。さらに、技能を評価する一方で、厳しいコメントも多かったため、「スター誕生!」ではその厳しさが一つの見所となりました。

趣味・その他の活動

松田は初期のディズニー作品にも声優として参加しており、ウォルト・ディズニー本人とも対面した経験を持っています。様々なジャンルに挑戦し、その影響は多岐にわたります。

最後の年月

2011年12月7日、東京の高齢者施設で老衰のため96歳で亡くなりました。松田トシの業績は後世に残り、2012年には「松田トシ賞」が東京芸術大学によって創設され、声楽科の優秀者に毎年授与されています。彼女の愛用のピアノは、友人によって福祉法人に寄贈され、彼女の音楽への情熱は今も生き続けています。

彼女の影響は、音楽界や教育の分野において、今なお多くの人に受け継がれています。

もう一度検索