松田芳郎

松田芳郎（まつだ よしろう）

概要

松田芳郎（1935年7月6日 - 2018年10月10日）は、日本の経済学者であり、一橋大学の名誉教授でした。統計学における卓越した業績で知られ、日本統計学会の理事長も務めました。彼の研究は、経済統計の分野に深い影響を与え、多くの後進に刺激を与えました。

生い立ちと学歴

北海道小樽市で生まれた松田芳郎は、1958年に小樽商科大学を卒業後、一橋大学大学院経済学研究科博士課程に進みました。同大学院では、著名な経済学者である山田雄三の指導を受け、経済学の研究に没頭しました。その後、ハーバード大学大学院にも留学し、国際的な視野を広げました。

職歴と研究活動

松田芳郎は、1963年に小樽商科大学で教鞭をとり始め、その後、一橋大学経済研究所の助教授、教授を歴任しました。1990年には日本統計学会の理事長に就任し、統計学の発展に貢献しました。1999年に一橋大学を定年退官後、東京国際大学、青森公立大学で教鞭をとり、後進の育成に尽力しました。また、2002年には文化経済学会の会長も務めました。彼の研究は、経済統計の理論と実践の両面にわたり、特に、企業構造の統計的測定方法に関する研究は、経済学の分野で高く評価されています。

受賞歴

松田芳郎は、その卓越した研究業績により、数々の賞を受賞しています。1988年には、アジア経済研究所から発展途上国研究奨励賞を授与されました。2000年には、「企業構造の統計的測定方法」に関する研究で経済学博士の学位を取得しました。さらに、2003年には、統計学における長年の貢献が認められ、日本統計学会学会賞を受賞しました。2015年には、長年の教育・研究活動が評価され、瑞宝中綬章を受章し、同年には大内賞も受賞しました。

死去

2018年10月10日、松田芳郎は高カリウム血症のため逝去しました。享年83歳でした。

主な著書

『データの理論 統計調査のデータ構造の歴史的展開』岩波書店、1978年
『中国経済統計方法論 変容と現状』アジア経済研究所、1987年
『企業構造の統計的測定方法』岩波書店、1991年
『ミクロ統計データの描く社会経済像』日本評論社、1999年

共編著

『アジアにおける所得分配と貧困率の分析』溝口敏行共編著、多賀出版、1997年
『中国農家における公正と効率』辻井博,浅見淳之共編著、多賀出版、2005年

松田芳郎の生涯は、経済学、特に統計学の分野において、多大な貢献をした日本の偉大な学者の一人として、永く記憶されるでしょう。

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