高カリウム血症

高カリウム血症について

高カリウム血症（こうカリウムけっしょう）は、血液中のカリウムの濃度が異常に高まることで引き起こされる電解質の代謝異常の一種です。これは深刻な健康問題となる可能性があり、特に災害時には挫滅症候群（クラッシュシンドローム）として現れることがあります。カリウム濃度の異常上昇は、他の電解質異常症である低カリウム血症とも関連していることがあります。

主な症状

カリウムは身体にとって必須のミネラルですが、血中濃度が高すぎるとさまざまな症状が現れます。主な症状としては以下が挙げられます。

• - 四肢の痺れ
• - 不整脈や頻脈
• - 筋力低下
• - 吐き気

この状態を放置すると、致死的な不整脈や心停止に至る危険性が高まります。特に、血中カリウム濃度が5.0-6.0mEq/lに達すると心電図に異常が現れ、7mEq/l以上になると致死的不整脈を引き起こすリスクが非常に高くなります。そのため、心電図検査が重要な予防措置として位置付けられています。

原因

高カリウム血症の原因は多岐にわたります。主な要因には以下が含まれます：

• - 腎機能の低下: 腎臓がカリウムを正常に排泄できない状態です。
• - 過剰なカリウム摂取: カリウムを豊富に含む食品やサプリメントの過剰摂取。
• - 細胞からのカリウム流出: 代謝性アシドーシスや細胞崩壊（挫滅症候群、腫瘍崩壊など）によって細胞内のカリウムが流出します。
• - 薬剤の影響: 特定の利尿薬や治療薬がカリウム濃度に影響を与えることがあります。

ときに、偽性高カリウム血症と呼ばれる状態が観察されることがありますが、これは実際の血中カリウム濃度が正常であっても、血液サンプルに溶血がある場合や白血球・血小板が多いために高カリウム血症のような結果が出る現象を指します。

治療法

高カリウム血症は迅速に血中のカリウム濃度を下げることが難しい一方で、致命的な不整脈を防ぐことが治療の焦点となります。以下の方法で治療が行われることが一般的です：

• - カルシウム製剤の投与: 血中カルシウム濃度を上昇させることで、心筋の活動を抑制し、不整脈を防ぎます。
• - 血液ガス分析: アシドーシスの評価を含むこの検査で、迅速にカリウム濃度や他のバランスを確認します。
• - G-I療法: ブドウ糖とインスリンを用いることで、カリウムを細胞内に移行させる方法です。

これらの方法はしばしば一時的なものであり、根本的な改善が必要な場合は血液透析が考えられます。さらに、原疾患の治療も重要で、腎不全や肝不全、または過剰なカリウム摂取の原因を特定し、適切な処置を行うことが求められます。

高カリウム血症の発症メカニズムや治療法について理解を深め、早期発見と対処ができるよう心がけることが重要です。

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