松野幸泰

松野幸泰の生涯と業績

松野幸泰（まつの ゆきやす、1908年10月13日 - 2006年5月22日）は、日本の政治家として多くの業績を残した人物です。岐阜県知事を務めた他、自由民主党の衆議院議員としても活躍し、その政治人生は長きにわたりました。彼の家族もまた政治に影響を与えた存在であり、孫は自民党衆議院議員の棚橋泰文、妻の松野友は43年間も穂積村・町長を務めました。さらに、子供たちも政治に関与しており、元岐阜県議会議員の松野幸昭や前瑞穂市長の松野幸信がいます。

幼少期とキャリアの始まり

岐阜県本巣郡穂積村（現在の瑞穂市）で生まれた松野は、名古屋育英商業学校（現・東邦高校）を卒業後、岐阜県農業講習所に入所しました。兵役を経て、家業の農業に従事しながら、1933年には「松野メリヤス」を創業し事業を展開しました。

穂積村会議員に初当選したのは1936年のことで、その後、戦時中は翼壮の構成員として活動しましたが、戦後に公職追放を受けました。やがて追放は解除され、岐阜県議会議員に選出され、最終的には岐阜県議会議長に就任しました。

岐阜県知事への道

1958年10月、松野は岐阜県知事選に出馬し、初めて当選します。彼は1966年まで2期8年間知事を務め、伊勢湾台風の教訓をもとに治山・治水の事業を進めました。また、“道路知事”とも呼ばれるほど、産業や生活基盤となる道路整備に力を入れ、「町も村も豊かな岐阜県」というビジョンを打ち出しました。このビジョンには、岐阜県庁舎の移転なども含まれ、彼の政治手腕が評価されました。

国政への転身

松野は1967年1月には衆議院議員選挙に旧岐阜1区から出馬し、初当選を果たしました。その後、連続当選を重ね、任期中の一時期には田中派に入会しました。1981年には鈴木善幸内閣で国土庁長官および北海道開発庁長官を務め、中部国際空港の整備推進に尽力しました。

晩年と栄誉

1987年には竹下登を会長とする経世会が結成された際、松野はそのグループに残り、1990年の総選挙には出馬せずに政治家としてのキャリアを終えました。その後、1996年には岐阜県名誉県民の称号を授与され、89年には勲一等旭日大綬章を受章しました。

晩年は病状に悩まされながらも、2006年5月22日に岐阜市内の病院で97歳で逝去。彼の貢献は岐阜県において忘れられることはなく、死後には従三位に叙されました。松野幸泰の生涯は、日本の地方自治や政治の発展に寄与した精力的なものであり、彼の業績は今なお広く認識されています。

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