松﨑典弥

松﨑 典弥

松﨑 典弥（まつざき みちや）は、1976年6月12日に鹿児島県に生まれた日本の化学工学者です。現在は大阪大学大学院工学研究科の教授として、生体材料学の分野で革新的な研究を進めています。その研究対象は多岐にわたりますが、特に注目されているのが培養肉の開発です。

学歴と初期のキャリア

1999年、鹿児島大学工学部応用化学工学科を卒業後、同大学大学院に進学し、応用化学工学専攻の博士前期課程を2001年に修了しました。さらに学びを深め、2003年には同大学院理工学研究科物質生産工学専攻の博士後期課程を短期間で修了し、博士（工学）の学位を取得しています。博士後期課程在籍中には、日本学術振興会の特別研究員として研究に従事しました。

学位取得後、国際的な視点を広げるため、2004年にはスウェーデンのルンド大学大学院免疫工学専攻に客員研究員として籍を置き、研鑽を積みました。

大阪大学での歩み

2005年、大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻に特任助手として着任したことを皮切りに、大阪大学でのキャリアが本格的に始まりました。翌2006年には同専攻の助手に、そして2007年には助教に昇任し、教育と研究の両面で貢献を続けました。この間、2008年からは科学技術振興機構（JST）のさきがけ研究者としても採択され、将来を担う研究領域の開拓に専念する機会を得ました。

主な受賞歴

松﨑教授は、その顕著な研究成果と将来性が高く評価され、数多くの賞を受賞しています。

2011年には、日本化学会進歩賞と大阪大学功績賞（研究部門）を受賞。
2013年と2014年には、大阪大学総長奨励賞を連続して受賞しました。
2014年には、若手研究者にとって大変栄誉ある文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞。同年には高分子学会Wiley賞も受賞しています。
2015年には、野口遵賞と日本バイオマテリアル学会科学奨励賞を受賞し、この分野における貢献が認められました。

これらの受賞歴は、基礎研究から応用研究に至るまで、幅広い分野での松﨑教授の功績と革新性を示しています。

学会活動と政府への貢献

研究活動に加え、松﨑教授は学術界や政府機関にも貢献しています。2012年からは日本バイオマテリアル学会の評議員を務め、学会の運営と発展に寄与しています。また、2018年には文部科学省科学技術・学術政策研究所の科学技術専門調査員として、国の科学技術政策立案にも関わりました。

現在の専門と研究

2019年、松﨑氏は大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻の教授に昇任しました。現在の専門は生体材料学であり、生命現象を模倣したり、生体機能を利用したりする材料の研究開発に取り組んでいます。特に、食糧問題や環境問題への貢献が期待される「培養肉」の開発は、松﨑研究室が注力する最先端の研究テーマの一つです。細胞培養技術や材料科学の知見を駆使し、実用化に向けた研究が進められています。

松﨑教授の研究は、工学と生物学の境界領域を横断し、医療、食品、環境など、様々な分野への応用が期待されています。今後のさらなる活躍が注目されています。

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