板野道夫

板野道夫の生涯と業績

板野道夫（いたのみちお、1902年11月21日 - 1969年3月28日）は、日本の実業家であり、関西電力の常務取締役を歴任し、大阪陶業の会長としても知られています。彼は岡山県総社市出身で、実業界において多くの重要な役割を担いました。

生い立ちと教育

岡山県吉備郡秦村（現在の総社市秦）で生まれた板野は、旧制岡山県立高梁中学に進学します。そこでは、将来京城帝国大学教授となる森谷克己と同期でした。1921年に高梁中学を卒業後、第六高等学校文科乙類に進み、さらに1924年に京都帝国大学法学部へと進学しました。このような背景の中で、板野の将来に対する期待が高まっていきました。

就職と昇進

大学を卒業した後、板野は京都電燈に就職し、庶務課庶務係として業務を始めました。その後、同郷の先輩である田邊隆二が京電の常務取締役に就任すると、板野にとっての大きな転機が訪れます。これにより彼のキャリアは加速し、1935年には満州国新京市の山佐土地建物株式会社の監査役となり、1937年には京電の庶務課長、そして同年のうちに伏見支店長に就任しました。

しかし、1942年には国の配電統制により京電が解散し、その資産は関西配電に引き継がれました。板野はそこで京都支店の秘書課長として田邊社長を支え、その後は東京及び上京配電局長を経て1946年には関西配電の取締役に就任しました。この時、板野は公職追放を免れる奇跡的な運命を持っていました。

関西電力の設立と活躍

1951年に関西配電が解散し、新たに関西電力が設立されると、彼はオーム社の理事に就任します。1952年には関西電力本店の常務に昇進し、経営面で森寿五郎を支える役割を果たしました。彼は1957年に54歳で取締役を退任しましたが、その後のキャリアも充実していました。

また、同年には大阪陶業（現在の日本ネットワークサポート）の社長に招聘され、1962年には会長に昇進しました。板野は会社の経営に多大な貢献をしながら、1965年に会長職を引退し、相談役に就任しました。さらには、関電興業の監査役も務めるなど、精力的に活動を続けていました。

晩年と死去

板野道夫は、企業経営において重要な役割を果たした実業家として多くの人々から尊敬されていましたが、1969年3月28日、慢性すい臓炎により66歳の若さでこの世を去りました。彼の生涯は、実業界における卓越した功績と共にあり、今なお彼の業績は多くの人々の記憶に残っています。

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