林卓行

林卓行氏は、1969年生まれの日本の美術批評家です。東京芸術大学で美術研究科博士後期課程を修了後、玉川大学文学部講師、芸術学部教授を経て、2017年より東京芸術大学美術学部芸術学科准教授を務めています。

美術批評家としての活動に加え、美術史、特に西洋美術史や現代美術に関する研究、教育活動に力を注いでいます。

経歴

林氏は、1997年に東京芸術大学美術研究科博士後期課程を単位取得満期退学しています。その後、2000年から玉川大学文学部講師として教鞭を執り始め、芸術学部教授を歴任しました。2017年からは、東京芸術大学美術学部芸術学科准教授として、次世代の芸術家や研究者の育成に貢献しています。

研究分野と活動

林氏の研究は、西洋美術史におけるモダニズム、特にフォーマリズムに焦点を当てつつ、現代美術の動向を深く考察しています。その批評活動は、美術作品の形式的な側面だけでなく、作品が持つ社会的、文化的背景をも包括的に捉えようとするものです。美術理論と実践の両面から美術を捉えることで、批評家として独自の視点を確立しています。

また、美術に関する幅広い知識を活かし、展覧会の企画や図録の執筆、翻訳など、多岐にわたる活動を展開しています。

著作

林氏は、美術に関する著作を多数発表しており、その内容は西洋美術史の基礎的な理解から、現代美術の最新動向までをカバーしています。主な著作として以下があります。

『ウォーホル　西洋絵画の巨匠 9』（小学館、2006年）：アンディ・ウォーホルの作品と生涯を詳細に分析した書籍。
『田中功起「質問する その１（2009-2013）」』（共同執筆、ARTiT、2013年）：現代美術家、田中功起の作品について考察した書籍。
『芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I』（共著、京都造形芸術大学 東北芸術工科大学 出版局 藝術学舎、2013年）：欧米のモダニズム美術の歴史を概観する書籍。
「フォーマリズムの倫理」（『モダニズム以降の美術──藤枝晃雄批評選集』、東京書籍、2017年所収）：モダニズム美術におけるフォーマリズムの意義を論じた論文。
* 『彫刻の歴史　先史時代から現代まで』（東京書籍、2021年）：先史時代から現代までの彫刻の歴史を包括的に記述した書籍。

また、アントニー・ゴームリーとマーティン・ゲイフォードの共著を石崎尚氏と共訳するなど、翻訳者としても活躍しています。

関連事項

林氏は、美術に関するさまざまな活動を通じて、blanClass、東京芸術大学、神野真吾といった美術関係者や団体と深く関わっています。

外部リンク

林氏の活動は、Twitterでも確認することができます。

林卓行氏は、美術批評家としてだけでなく、研究者、教育者としても多大な貢献をしており、日本の美術界において重要な役割を果たしている人物です。

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