神野真吾

神野真吾（じんのしんご）

1967年生まれのアートディレクター、美術教育の研究者。千葉大学教育学部准教授であり、角川武蔵野ミュージアムのアート部門ディレクターを務める。千葉アートネットワーク・プロジェクト（WiCAN）代表、千葉市文化振興会議委員長としても活躍。

生い立ちと学歴

神奈川県横浜市に生まれ、1986年に千葉県立東葛飾高等学校を卒業。1991年には東京藝術大学美術学部芸術学科を卒業し、1993年には同大学大学院美術研究科（美学専攻）を修了。その後、東京大学社会情報研究所（現情報学環）研究生を経て、学芸員としてのキャリアをスタート。

職歴と活動

1995年より11年間、山梨県立美術館の学芸員として勤務。2004年からは山梨県庁生涯学習文化課も兼任し、地域文化の振興にも貢献した。2006年からは千葉大学に助教授、准教授として勤務し、社会とアートの関係に関する研究や実践を精力的に行っている。

千葉市美術館との連携プロジェクトである「千葉アートネットワーク・プロジェクト」（WiCAN）では代表を務め、毎年アーティストとの協働プロジェクトを企画・実施。また、国立美術館の教育普及事業に関する委員会委員や、千葉市文化芸術振興会議委員長など、幅広い分野で活動している。2013年から2020年までは山梨ジュエリーミュージアムのアドバイザー、2020年からは角川武蔵野ミュージアムのアドバイザリー・ボードメンバーも務める。

主な企画展

神野真吾は、数多くの展覧会を企画・監修しており、その活動は多岐にわたる。以下に主な企画展を挙げる。

2023年: 「タグコレ現代アートはわからんね」（角川武蔵野ミュージアム）
2021年: 千の葉の芸術祭総合ディレクター
2021年: 「米谷健＋ジュリア展だから私は救われたい」（角川武蔵野ミュージアム）
2020-2022年: 「《コロナ時代のアマビエ》プロジェクト」（角川武蔵野ミュージアム／会田誠、鴻池朋子、川島秀明、大岩オスカール、荒神明日香などが出展）
2008年: 「～ひらがなアート～チバトリ」（千葉市美術館、WiCANアートセンター／会田誠、遠藤一郎などが出展）
2003年: 「ポール・ホリウチ展 : シアトルに渡った日本の感性」（山梨県立美術館）
2002年: 「新版／日本の美術 : 伝統のもう一つの継承者たち」（山梨県立美術館／小沢剛、須田悦弘などが出展）
2002年: 「ボストンと山梨のミレー」（山梨県立美術館）
2001年: 「荻原英雄全仕事」（山梨県立美術館）
2000年: 「現代美術百貨展」（山梨県立美術館／山口晃、やなぎみわ、草間彌生などが出展）
1999年: 「版と版画のはざまで : メキシコ・日本・山梨 : 開館20周年記念」（山梨県立美術館）
1998年: 「山梨の現代作家たち : 1984-1998」（山梨県立美術館）
1997年: 「版画の現在 : ベルギー・日本・山梨」（山梨県立美術館）
1997年: 「2D?3D!たて、よこ、たかさ。ひろがり・・・ : 子どものための美術展 '97」（山梨県立美術館）
1996年: 「ミロ版画 : 1933-1963 : バルセロナ・ミロ美術館所蔵」（山梨県立美術館）

著作

神野真吾は、美術に関する多数の著作も発表している。主なものを以下に示す。

共著

「Discussion 神野真吾芸術学×高嶺格アーティスト×会田大也ミュージアム・エデュケーター現代美術を学び、伝えるための環境づくりとは?」（『美術手帖』2020年4月号、美術出版社）
「前提を更新すること―鑑賞教育からAIまでの曖昧さを超えて―」『美しい未来を創る子どもたち』美育文化協会、2019年
「「とがび」以降の美術教育はどうしたらいいのか？」（『とがびアートプロジェクト―中学生が学校を美術館に変えた』東信堂、2019年）
「美術教育と美術／アート」『美術教育ハンドブック』三元社、2018年
『社会の芸術／芸術という社会』フィルムアート社、2016年
「危機の時代とアート」『岩波講座哲学７巻』岩波書店、2008年

論文

「美術で何を学ぶのか?」（『美術手帖』2019年2月号、美術出版社）
「私たちの社会の前提を問う」（『5: Designing Media Ecology』7号、2017年）
「一般化されうるアートの本質とは」（『5: Designing Media Ecology』3号、2015年）
「日本人は美術とのリアルな関係を築けるだろうか」（『芸術批評誌 REAR』21号、2009年）
「世界の「タカシ・ムラカミ」と村上隆の「日本」～傾向と対策が生んだ，成功と限界～」（『大学美術教育学会誌』2006年）
「日本の美術　伝統のもう一つの継承者たち」（『新版／日本の美術 : 伝統のもう一つの継承者たち』（展覧会カタログ）、山梨県立美術館、2002年）
「現代美術百貨展で現代美術に強くなる！」（『現代美術百貨展』（展覧会カタログ）、山梨県立美術館、2000年）

外部リンク

神野真吾 - Facebook
Shingo Jinno 神野真吾 - X（旧Twitter）
* 神野真吾／Shingo JINNO - note

神野真吾は、アートディレクター、美術教育研究者として、社会とアートの接点を追求し、幅広い活動を通じて現代美術の発展に貢献している人物である。

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