林安定

林安定（はやし やすさだ）

生涯

林安定は、文化3年（1806年）に会津藩士・林安論の長男として生まれました。幼名は又三郎、笈之助と称しました。彼は、一宮流居合術や長沼流兵学を学び、特に砲術に秀でていました。

功績

安定は、槍や剣術にも優れていましたが、西洋砲術の重要性を早くから認識し、その導入に尽力しました。当時、保守的な藩論が主流でしたが、安定は率先して西洋砲術を学び、藩論を転換させることに成功しました。天保の改革で失脚した老中・水野忠邦の藩邸が江戸市民に包囲された際には、会津藩江戸藩邸にいた権助が、槍を持って騎馬で駆けつけ、騒ぎを鎮圧しました。文久2年（1862年）には大砲奉行に就任し、上洛しました。文久3年（1863年）の禁門の変では、大砲隊を率いて活躍し、新選組と共に天王山の真木保臣を追撃しました。

戊辰戦争と最期

慶応4年（1868年）1月、鳥羽・伏見の戦いで薩摩軍と戦端を開き、戊辰戦争が勃発しましたが、数ヶ所に被弾し戦線を離脱しました。その後、江戸へ向かう船中で死去しました。享年63歳でした。この戦いでは、嫡男の又一郎も戦死しています。

死後

林父子の戦死により、林家は孫が継ぎ、その孫は林の名と権助の名を継いで、林権助と名乗りました。この林権助（孫）は、会津戦争を生き残り、長じて明治政府に出仕し、外交官として活躍しました。日露戦争中には駐韓公使を務め、後に駐英大使にまで昇りつめました。

その他

林安定の墓所は、会津若松市の大龍寺にあります。

参考文献

『三百藩家臣人名事典』第2巻、新人物往来社、昭和63年（1988年）、P80-81

林安定を演じた俳優

森野五郎（『新選組血風録』、昭和40年（1965年）、NET）
三谷昇（『新選組!』、平成16年（2004年）、NHK）
風間杜夫（『八重の桜』、平成25年（2013年）、NHK）

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