林忠行

林忠行

林忠行（はやし ただゆき、1950年 - ）は、日本の著名な政治学者であり、国際政治史、中でもチェコスロヴァキアの政治外交史研究において多大な貢献をしています。

経歴

北海道に生まれた林氏は、1970年3月に神奈川県立横須賀高等学校を卒業後、東京都立大学法学部へ進学し、1975年3月に卒業しました。その後、一橋大学大学院法学研究科公法専攻に進み、細谷千博教授の指導を受けました。1977年3月には修士課程を修了し、法学の修士号を取得しています。

博士課程在学中の1978年11月からは、チェコスロヴァキア政府奨学生としてカレル大学哲学部史学科に留学し、1980年11月まで研究に励みました。1982年3月、一橋大学大学院法学研究科公法専攻博士課程を単位取得退学しています。

職歴

1982年4月には一橋大学法学部助手として職を得て、研究者としてのキャリアをスタートさせました。1985年4月には広島大学法学部助教授に昇任し、1991年8月には同大学の教授に就任しました。

1994年4月、北海道大学スラブ研究センター（現在の北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター）教授に就任。1996年4月から1998年3月まで同センター長を務めました。2006年4月からは国立大学法人北海道大学の理事兼副学長として大学運営にも携わりました。

2011年4月には京都女子大学現代社会学部教授に転じ、2014年5月には同大学の学長に就任（2020年まで）。教育者、研究者として幅広い分野で活躍しています。また、2017年1月には日本ロシア・東欧研究連絡協議会の代表幹事に、2017年5月には日本スラブ東欧学会（JSSEES)理事長に就任するなど、学会活動にも積極的に参加しています。

著書

林忠行は、国際政治史、特に東欧地域に関する研究において数多くの著作を発表しています。主な著書には以下のようなものがあります。

単著

『粛清の嵐と「プラハの春」：チェコとスロヴァキアの40年』(シリーズ東欧現代史 3) 岩波書店［岩波ブックレット］ 1991
『中欧の分裂と統合：マサリクとチェコスロヴァキア建国』中央公論社［中公新書］1993
『東欧の歴史と民族問題』（広島平和文化センター「平和図書」、1995年）
『チェコスロヴァキア軍団：ある義勇軍をめぐる世界史』岩波書店 2021

共編著

『講座スラブの世界 (7) スラブの国際関係』伊東孝之・木村汎共著、弘文堂 1995
The Emerging New Regional Order in Central and Eastern Europe, Slavic Research Center, Hokkaido University, 1997
『連邦解体の比較研究：ソ連・ユーゴ・チェコ』柴宜弘・中井和夫共著、多賀出版 1998
『ポスト冷戦時代のロシア外交』伊東孝之と共著、有信堂高文社 1999
The Construction and Deconstruction of National Histories in Slavic Eurasia, Slavic Research Center, Hokkaido University, 2003
Post-Communist Transformations: The Countries of Central and Eastern Europe and Russia in Comparative Perspective, 大串敦共著, Slavic Research Center, Hokkaido University, 2009
『体制転換研究の先端的議論』仙石学と共著、スラブ研究センター 2010
『ポスト社会主義期の政治と経済：旧ソ連・中東欧の比較』仙石学と共著、北海道大学出版会 2011

これらの著作は、東欧地域研究における重要な貢献として高く評価されています。特に、チェコスロヴァキアの歴史と政治に関する研究は、この分野における第一人者としての地位を確立しました。

外部リンク

* 2001年度林忠行の点検評価

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